熊本地震、1600年代の地震との相似性

2016年3月14日の熊本地震から2年が経ちました。あの日の夜私は福岡の自宅で寝ていて、下から突き上げるような強い振動を感じました。揺れの強さからてっきり震源は福岡だとばかり思っていました。そして震源が熊本だったと知ったのは翌朝起きてからです。こちらで震度5くらいの強さに感じましたら、熊本の揺れの激しさは想像できます。

あの夜自宅で受けた衝撃と同じような衝撃を受けた経験があります。それは2011年3月11日の東日本大地震のときです。そのとき私は東京都内の自宅マンションに居ましたが、下から重機で突き上げられるような衝撃を受けました。そのとき考えたのは「あ、これは関東大震災だ。次にはもっと大きな揺れが来て建物が壊れるかも。俺生きているかな。」ということでした。福岡でまた同じような経験をするとは思ってもいませんでした。

地震後5月に熊本の友人を訪ねた際にバスの中から被害の状況を見てきました。青いビニールシートに覆われた家々が印象的でした。あれから2年が経ちこの3月25日に熊本城に行きました。瓦が吹き飛び無残な姿になった熊本城天守閣はビルの新築工事のように工事用足場に覆われ、再建が進んでいることが伺えました。下通や上通などの繁華街は、元のにぎやかさを取り戻していました。

ところで、熊本は過去何度か大きな地震に見舞われているのですが、1596年の伏見地震の23年後の1619年に八代地震が起き、麦島城倒壊や球磨川堤防決壊などの大きな被害が出ています。この周期は1995年の神戸地震、その21年後の2016年の熊本地震と重なります。伏見地震の後は八代地震でしたが、その6年後の1625年には熊本地震が発生し、熊本城の石垣が一部崩壊するなど大きな被害が出たとあります。このときの八代地震の震源は熊本市の西から南西に走る日奈久断層で、熊本地震の震源は熊本の東から西斜めに走る布田川断層だったと言われています。2016年3月の熊本地震は布田川断層が動いたことが原因で、今回は日奈久断層は動いていないと言われています。伏見地震後に熊本で起きた2つの地震を考えると、2016年から5、6年後くらいに日奈久断層上で地震が起きることも考えられます。過去の事実として知っておいても損はないと思います。

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