2020年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀?!ヒロインは細川ガラシャ!
4月18日のいくつかの報道によると、2020年のNHK大河ドラマの主人公は、明智光秀が検討されているということです。大賛成です。本来なら黒田官兵衛より先に取り上げられてよかったと思います。明智光秀がいなければ、豊臣政権も徳川政権もできなかった可能性があります。暴君織田信長を本能寺で謀殺し、時代を大きく進ませたのは明智光秀であり、光秀以上に時代を大きく動かした人はいません。光秀は、天下人となった織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ほどギラギラ、コテコテしたものがなく、静かで有能な参謀型大名という印象があります。近い大名と言えば、文化人大名細川藤孝が思い浮かびます。ともに足利将軍家に仕え、その後織田信長に主君を変え、光秀の三女玉を藤孝の長男忠興に嫁がせるなど親密な関係にありました。光秀は本能寺の変後細川藤孝は自分に味方してくれると信じていましたが、権力の趨勢を見るに敏な藤孝は、次の天下は光秀には来ないと読み、光秀に味方しませんでした。光秀が主殺しの逆賊になったことで、追い詰められたのが細川忠興に嫁いでいた玉です。逆賊の娘ですから、捕らえられれば打ち首です。細川家の重臣たちは、忠興に殺害するか離縁するよう迫りましたが、玉を溺愛する忠興は承諾せず、丹後半島の山中味土野に隠します。秀吉に知れれば細川家断絶もありうる決断でした。この玉が後の細川ガラシャです。ガラシャは美しく、和歌なども詠む才女であったと言います。玉を味土野に隠してから2年くらい経ったある日、忠興は秀吉から大坂城に呼ばれ、「奥方を味土野に隠しているようだが、もうよいから大阪に屋敷を作り一緒に住め。」と言われます。秀吉としては、細川家は味方にしておく価値がある大名だったようです。
明智光秀に一番感謝していたのは、徳川家康ではないでしょうか。光秀は、信長謀殺により、徳川幕府の成立を早めましたし、ガラシャは、関ケ原の戦いの前、西軍兵士が夫忠興が東軍についたガラシャを大坂城へ収容しようとした際、それを拒否し、命を投げだしました。これが東軍に就いた豊臣恩顧の大名の結束を高め、関ケ原の戦いを勝利に導いた要因の1つと言われています。第三代将軍家光の乳母春日局は、光秀の片腕で光秀と共に斬首になった斎藤利三の娘ですが、普通ならこういう娘を家光の乳母にはしません。実は家光は第二代将軍秀忠と春日局の間に生まれた子という説が強まっています。そのように書かれた当時の史料がいくつか出てきていますし、実際家光誕生の10カ月くらい前お江は伏見におり、家光を身籠るのは難しかったと言われています。その当時春日局(福)は、細川忠興の紹介ですでに江戸城で奉公していて、秀忠がお江のいない間に手を出したというのが真相のようです。そうだとすれば、秀忠とお江が次男忠長を溺愛し、家光には全く愛情を示さなかったこと、一方春日局が必死で家光後継のために動いたことおよび家光の将軍就任後春日局の権勢が盛んだったことが理解できます。
明智光秀物語は、大河としては一見細そうですが、細川藤孝・忠興親子が密接に絡み合い、細川ガラシャ、春日局まで繋がるなかなかの大河です。このドラマのキャスティングの最大の関心は、細川ガラシャを誰が演じるか、です。
*その後明智光秀、徳川家康、春日局の関係を調べて、「明智光秀・徳川家康・春日局を繋ぐ点と線」としてまとめました。本ブログヘッダーおよびサイドバーのカテゴリーに掲載していますのでご覧ください。
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