若者よ、海外移住できる準備をしておけ

はっきり言って今後日本がどうなるのか全く予想がつきません。人口の大幅な減少と高齢化の進展を考えると、今より悪くなる可能性が高そうです。その中で、これから社会人となる若者の人生は、順風満帆と言うより波乱万丈と予想した方がよさそうです。

こういう厳しい世の中になってくると、親は子供ができるだけ良い生活ができるようあれこれ手を打ちます。江戸時代まで身分社会が続いたのは、そういう親たちがいたからです。これからまた江戸時代以前のような身分社会になるとは思いませんが、それに近い動きは起こっています。例えば、慶応大学の幼稚舎から大学までの一貫教育は、上流社会の住人となった親たちが子供も上流社会の住人になれるようにするシステムだと思われます。更に慶応大学は、実業界でも強力なOB会を組織し、OBをできるだけ上流社会に引き上げる体制を作っています。福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は、慶応に集った人たちは、人の下に行かなくて済むようにする、との決意宣言となっているように思います。

また、日本で強力な企業集団を持つ旧財閥企業グループでも、グループ間企業で子弟を優先的に採用する動きがみられます。フジテレビが芸能人や有名スポーツ選手、政治家などの子弟を優先的に採用している例なども同様な動きです。このように日本においても親の属する社会階層によって子供が属する社会階層が決まってくる身分社会類似のシステムが形成されてきています。従って、学生の就職もこういう関係で最初に決まり、残りを一般学生で競っている状況でしょう。

この後上流社会の住人となった人たちは、この状態を法律などによって固定化しようとするでしょう。上流社会の仲間である政・財・官・マスコミが一体となって、マスコミが繰り返し正当性を主張する情報を流し、上流社会の住人に有利な世論形成をしていくでしょう。そして、選挙で多数派を形成し、国会で法律を作り、上流社会の住人に有利な制度を作り上げます。その結果、一旦下流社会に落ちたら、上流社会に上がれない仕組み、実質的な身分社会になっていきます。

若者は、こういう悔しい状態に遭遇したとき、いつでも海外に移住できるスキルを身に着けておくべきです。日本の民主主義は、ヨーロッパやアメリカのように国民が血を流して勝ち取ったものではないため、薄弱な民主主義になっているように思います。憲法も国の最高規範との認識は薄く、仏教のお題目や神主の祝詞のようなものになっています。基本的人権や生存権の保障なども言葉だけで、NHK受信料のように低所得者に負担を押し付け、生存さえ危うくなることを平気でやっています。

運よくこういう状態にならないのがベストですが、実際は多くの若者がこういう事態に遭遇すると思います。若者は、こういう場合にもっと社会制度がしっかりした海外に移住できるよう準備をしておくのがよいでしょう。