突出した才能の持ち主に投資する必要がある

日本はこれから人口減少と高齢化が同時に起こるので、労働力は確実に減少がします。それよりも若者の減少による経済の活力の低下の問題が心配です。経済の活力は、企業の競争によってもたらされますが、若者の減少は競争の低下をもたらします。その結果日本の企業は世界的競争に負け、日本に残るのは内需企業か、海外企業の系列企業だけとなりそうです。そうなると所得は低下し、ますます活力がない国家となるでしょう。

若者の人口減少の中で国内企業活動を活発にするには、これから企業活動に参加する若者のレベルを今以上に引き上げ、国際的にもトップクラスに持っていく必要があります。そのためには、中学教育から才能のある若者を見出し、才能に見合った教育を実施し、才能を伸ばす必要がります。今の東大合格者の上位は中高一貫の私立高校が占めています。これは中学からの英才教育が有効であることを示しています。また、サッカーでも卓球でも才能ある若者は中学からエリートアカデミーに入れて、英才教育を施しています。現在日本のサッカーや卓球が世界的にも強くなったことの要因の1つだと思われます。

今後企業においてイノベーションを起こせるような才能の持ち主の教育方法として、現在の東大合格10位までの私立中高一貫校に合格した学生の諸費用は、すべて国で負担することとします。入学金、施設費、授業料、寮費などすべて無料とします。その結果、この10校には、今までお金の問題でこれら私立中高一貫校に行けず公立中学・高校に行っていた優秀な学生も入ってくるようになり、今よりも更に学力優秀な学生が集まるようになります。そうなれば今よりさらに高度な教育ができるようになり、とびきり学力優秀な学生の集団となります。東大入学者の8割はこの10校の出身者となるかも知れません。しかし実際は、東大よりも医学部と言う人も多いと思われますので、ここまではいかないでしょう。まるで昔の一高、二高、三高のような制度になりますが、あくまで私立の中高一貫校で必要となる諸費用を無料にするだけです。国立のエリート中高一貫校を作るより、今の私立の中高一貫校を利用する方が設備、経験豊富な教師、指導ノウハウなどを利用できるので効果的です。

ここを卒業する学生は、他の高校から東大に入学した学生よりもダントツに優秀な学生がでる可能性が高く、日本の科学技術を発展させ、企業でイノベーションを起こする原動力となります。

そこ他の分野でも子どもの才能ごとに特別教育課程を設け、才能を伸ばします。その教育に関する費用はすべて国で負担します。そこで育った人たちが一般の人たちのレベルを引き上げる役割を果たすことを考えれば損な投資ではありません。

中国や韓国と比べても日本の教育や社会は平等を重視し、突出した才能を伸ばし切っていないように思います。やはり社会の先端部分を引っ張るのは突出した才能の持ち主です。今後日本は、突出した才能を伸ばさない限り衰退すること間違いありません。