私立大学の裏口入学、何がいけない?

文部科学省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件に絡み、東京医科大学では裏口入学が繰り返されていたという報道です。文科省の官僚が補助金を餌にして子供を入学させることは、贈収賄罪になりいけないことは分かりますが、私立大学が入試得点以外の要素で入学者を選抜することは、犯罪行為ではなく、何も悪くないのではないでしょうか?多くの私立大学で、入試も受けずに付属高校の卒業生を入学させていますし、高校推薦や自己推薦でも入学させてもいます。慶応幼稚舎などは、親が高名で高収入でないと入るのは難しく、ほぼ大学側の裁量で入学者を決定していると言っていいと思います。県や市の職員採用でも、1次試験を通れば後は議員や有力者の後押し次第と言います。。

東京医大の裏口入学を問題にするのは、国から補助金を受けて、その際に裏口入学はさせないという契約でも結んでいたからでしょうか?そうでない限り、私立大学の経営は私立大学の裁量に委ねられており、学生の選抜基準も自由に決められるはずです。例えば、祖父が大金持ちで、孫の学生を医学部に入学させてくれたら10億円寄付するという話になったら、経営側としては入学させるという判断はあると思います。それだけ経営が楽になりますから。それにその学生だって、国家試験に合格しなければ医師にはなれないわけで、入学により医師になることを約束されるわけではありません。10億円寄付したけれど、入学した学生が国家試験に合格できず、10億円が無駄になることもあり得ます。

贈収賄による入学は問題ですが、それにかこつけて私立大学の入学者選抜方法をとやかく言うのは行き過ぎだと思われます。私立大学の存在意義である国家から干渉されない学校運営を守るため、心ある私立大学は、国の補助金を一切受けないことを宣言し、経営に当たって欲しいものです。