学生の皆さん、会社の仕事は団体競技ですよ
今年は会社が就職の内定を出すのが早いようで、もう多数の学生さんが内定を得ているようです。まだ内定していない学生さんは焦りが出てくる頃でしょうが、この人手不足の世の中、必ず決まりますから頑張って下さい。
さて、会社員としての人生を振り返って言えることは、会社の仕事は団体競技だということです。この点は、余り認識できていない学生さんが多いように思います。大学に合格するための受験勉強は個人競技であり、人よりも1点でも良い点数を取ることを競ってきました。会社も1点でも良い成績を上げた人が評価されるところで、受験勉強で頑張ったように頑張ればよいと思っている学生さんが多いと思います。
しかし、そこが根本的な誤りです。会社の仕事は個人競技ではなく団体競技なのです。具体的には、高校の運動部のようなものと言った方が分かりやすいでしょうか。強い運動部では、たくさんの部員が入部してきますが、その中でレギュラーになれるのは限られています。また部長や副部長になるのは、レギュラーでかつ誰からも信頼される人です。必ずしも一番うまい人ではありません。こういう点が仕事とよく似ています。仕事でもたくさんの人が入社してきますが、だれでも優秀な社員になれるわけではありません。数年後には戦力外と見なされる人が出てきます。運動部ほどではないにしろ、必要とされる社員になるのは厳しいのです。そして、個人競技である受験勉強だけで通し、運動部には一度も所属したことがない人にとっては、団体活動に馴染めるかどうかが最大の関門になります。団体活動そのものが嫌いという人は、そもそも会社への就職は向かないと思います。大学の運動部出身者が就職に強いのは、会社の仕事が団体競技であり、大学で運動部に所属していたということは、仕事という団体活動に馴染むこと間違いないからです。そして、会社では大学の運動部で部長や副部長、マネジャーなどを務めた人が出世しているのも事実だと思います。多くの人を束ねて力を発揮させる術を身に着けているからです。受験勉強ばかりで団体活動は全くやったことがない人にとっては、大変なハンディキャップだと思われます。そういう学生さんはむしろ、個人競技に近い仕事、例えば弁護士、公認会計士、税理士、弁理士などの資格を伴う仕事を目指した方がよいかもしれません。