中央官庁の幼稚化が進んでいる

この8月、中央省庁が障害者雇用数を水増ししてことが判明しました。27省庁で3460人水増していたということです。これは障害者雇用促進法が定める障碍者の法定雇用率をクリアしたように見せかけるために行われたようです(昨年6月末の雇用義務2.3%→水増しされた後の実績2.49%→実際の実績1.19%)。

これが見過ごされてきたのは、民間企業の場合、報告された数字についてはハローワークに届け出チェックされるのに対し、中央省庁の場合、外部のチェックが入らないこと、および報告は省庁の課長級の決済で済むなど、重要視されてこなかったことがあるようです。

それでも国の中枢機関の官僚が数字を誤魔化して法律を達成したように装うとは、大変幼稚な発想です。

最近経済産業省では、森友事件で財務省の理財局と近畿財務局の公文書改ざん事件で取引の経緯を詳細に記載した文書があり安倍首相夫人や政治家の名前が登場したことから、こういう文書(記録)には、「いつ、だれと、何の打ち合わせをしたかを書けばよく、参加者の個別の発言まで書かないように」との指示を買いた文書を配布していた、との報道もありました。これは、森友事件を受け、政府が改正した「行政文書の管理に関するガイドライン」の骨抜きを図ったもので、国の行政を不透明化するものです。なんと幼稚な発想でしょうか。

森友事件での国会虚偽答弁や公文書偽造、文部官僚の贈収賄事件の背景には、こういった官僚組織の幼稚化があります。大学では優秀な成績で、難しい国家公務員上級職試験を勝ち抜いてきた自他ともに認める中央省庁のエリートが、自分らよりもはるかに頭が悪い政治家に顎で使われて、官僚としての誇りを失くし、小人の悪知恵を働かせることに喜びを感じているように思われます。これを見て、今後優秀な学生は、官僚を目指さないと思います。中央官庁の幼稚化はゆゆしき事態です。