70歳まで働くの?

政府は、企業に社員が希望したら70歳まで雇用する義務を課す法律の制定を検討していると言う報道です。これは、企業にとっても70歳まで働く人にとっても大変な世の中になるという感じがします。

先ず企業ですが、今決まっている65歳までの雇用義務でも60歳以上の社員の配置に困ると思われます。会社としては、激しい競争の中にあって、体力のある若手に頑張ってもらわなければならないわけで、その中に60歳を超えた人は配置できません。上司は60歳を超えた人を使いこなすのは大変です。また、60歳を超えた人も一旦退職し、昇進の望みもないわけで、働くモチベーションが落ちているのは明らかです。それに何よりも体力の問題があります。50歳を超えてくると、いろいろ体に不具合が生じてきます。健康診断で異常項目がある人は多いと思います。その中で、若者の中に混じって働いたら、業務中に倒れる人が出てくると思います。

そこで、60歳以上の人でも可能な業務に就けるしかないのですが、そんな業務は多くありません。それにそんな業務は大概外部に発注しています。従って、先ずはこれを内部に取り込んで対応すると思われます。警備、清掃、施設管理、庶務などの仕事です。これらの子会社を作り、60歳以上の社員をそこに集めるところもあると出てくると思います。そして、本体はキープヤングを保ちます。そうでないと会社は生き残れません。

待遇についても、売上高に対する人件費枠は変えずにその中の割り振りで調整するので、退職年齢の引き下げ(60歳を55歳あるいは50歳で退職、以後再雇用扱い)は必然です。現在は役職定年の55歳で役職手当が外され、退職まで大体それまでの6~7掛けくらいの給料になる企業が多いようですが、70歳まで雇用義務が生じるとなると、この掛け目も引き下げてくるはずです。55~59歳までは役職時の5掛け、60~65歳までは4掛け、66~70歳までは3掛けくらいになるのではないでしょうか。これでは、雇用延長した社員はやる気が湧かないないでしょうが、会社としてはいつ辞めてもらってよいという態度だと思われます。そういう中で、雇用延長しなければ、70歳まで務めた場合の給料の3年分を支払うというような条件を出して、辞めてもらう会社も出てくると思われます。儲かっている会社は、給料負担より、会社に来られるのが困ると言うのが本音だと思います。

実際、雇用延長するのは、貯えがない人になると思われます。貯えがある人は、多くが65歳くらいで働くのを止めると思います。実際の所、山登りや旅行などある程度体力が必要な行動ができるのは65歳までです。その後はなんだかんだと体に問題が生じ、行動が制約されます。それこそ70歳まで働いてそれから何かやろうと考えていたら、何もできずに終わることになります。

今後は、なるべき早く生活資金をためて、早期に退職し、以降は好きなことをやると言う人も増えてきます。なるべくならこちらの方に入りたいものです。