今後大学数は半減する!
日本の大学数は、1988年の490校から2015年には779校に増加しています。その大部分は私立大学で、357校から604校になっています。それに対して18歳人口は、1992年の205万人をピークに減り続け、2015年には120万人と85万人減少しています。
このように18歳人口は大きく減少しているのに、大学数は増え続けたのは、大学進学率が上昇し続けたからです。4年生大学への進学率は1988年の25.1%から2009年には50%を突破し、2017年度には52.7%に達しています。特に女子の進学率の伸びが著しく1988年の14.4%が2013年には45.6%と3倍になっています。
しかし、今後大学数は半減すると予想します。その理由は次の2つです。
先ず1つ目は、18歳人口の減少です。前述のとおり1988年から2009年までに85万人減少しています。今後も減り続け2029年には106万人になると予想されています。
これくらいの減少なら大学進学率が増え続ければ大学数はそんなに減らないとも考えられます。しかし、今後大学進学率は大きく減少していくと考えられます。その理由は、大学進学がその後の就職、収入増加と結び付かないと分かってきたため、進学が多様化すると考えるからです。そう考え始めたのは、奨学金破産が言われ始めてからです。大学の入学金や授業料が高くなり、4年間で400万円もの奨学金残高を背負う学生が珍しくなくなったと言います。大学を出た時点で400万円以上の借金は厳しい額です。今は就職できても終身雇用は当てにできません。ならば借金しないように生活していくことが重要になります。若者が車を持たなくなったのは、借金が嫌だからとも言えます。
それに大学を出たことがよい就職に結びつかないことは、よく考えれば自明のことです。就職者の半分以上が大卒だとすれば、難関大学以外は何の優位性もありません。高校時代の学業の成績での序列を固定化するだけです。高校時代に学業で勝てなかった人は、単純に大学進学を選んではいけないのです。学業以外で自分が強い分野、好きな分野に進むべきなのです。そこならば、学業で負けた連中に勝てるはずです。それに自分の強みや好きなことを生かした仕事につかないと、続けられません。そのことが今後はっきり理解されてくると思います。その結果、現在大学に進学している人の半数は、自分の強みや好きなことを伸ばすための職業訓練的な学校へ進学するようになります。
この2つの要因により、いずれ大学数は半減することになります。政府は大学教育無償化よりも、職業訓練的な進学の無償化に力を入れるべきです。