熊本への提言 2.過疎地の小中学生には徹底したプログラミング教育を
熊本で高校まで育ち、福岡、東京、大阪で生活し、今また福岡に住んでいます。東京での生活期間が約30年と長いのですが、故郷は熊本だと思います。熊本の実家はとうになく、里帰りもできなくなりましたが、高校時代の友人が何人か熊本にいるので、熊本市内には年に1,2回遊びに行きます。
上記提言は、日本の首都東京、経済商業都市大阪、今日本で一番元気がある街福岡に住んだ経験から、熊本の過疎地の子供たちのための提言です。
背景を説明します。私は、東京で30年近くサラリーマン生活を送りました。自宅は品川区にあり、最後の10年近くは、朝5時半に起きて、最寄りの駅を6時10分発の電車に乗り、7時頃会社に着いていました。もちろん会社には誰も来ていません。そこから新聞全紙に目を通し、注目する記事があればコピーし、分からないことがあればネットで調べます。これで世の中に起きている情報をインプットします。そして、やり残しや今日やらなければならない業務があれば、やります。これで、多くの社員が来る9時前には多くの仕事が片付いた状況になります。朝は、疲れもなく、人との交わりもないので、仕事が捗るのです。伊藤忠商事などが朝方勤務を推奨していますが、絶対その方が得です。
電車に乗っている時間は、30分程度で、空いていて座れます。乗客の多くが早朝勤務の会社員だと思われますが、小学低学年と思われる子供が必ず2,3名乗っていて、本を読んでいました。郊外の家から都心の私立小学校に通学していると思われました。7,8歳から早朝勤務の会社員と同じような生活をしているのですから、大人になれば最強の会社員になりそうです。都心の私立小学校に通うとなると年間100万円は掛かりますから、若くして高収入の家庭でないと行かせられません。当然中学は、高校と一貫となった私立中学校となります。いわゆる私立の中高一貫進学校です。こうすれば、東大や早慶に行けるのは当然なのです。私立中高一貫進学校は、東大や早慶合格から逆算して授業が構成されており、合格できるのは当然のようになっています。更に受験勉強以上に重要なのは、小さい時から東京の大企業に勤める会社員の背中や振る舞いをまじかに見て来ていることです。東京の文京区などでは、私立中学を受験するのは中学進学者の半数近くと言われていますが、それは彼らの父親に大企業の会社員が多く、また幹部社員が多いからです。父親が東大や早慶出身であり、それくらいの学力がないと大企業では偉くなれないと感じているからです。
それに対して私のように熊本の田舎で育った者は、会社員とはどう言うものかも分からず、会社員の振る舞いも知りません。そのような状態で熊本や福岡の大学に行っても、社会とは隔離されたアカデミズムの世界で4年間過ごすことになります。従って、就職して初めて会社員の世界に触れる人が多いことになります。私も最初は大企業に就職しましたが、20代から60代までの幅広い年齢層の人の中で生活するのに馴染めませんでした。一方例えば慶大出身者などは、最初から以前から居たように会社に馴染んでいます。今日本の大企業の最大多数派は慶大出身者ですが、父親は大企業の幹部が多く、父親の背中や立ち振る舞いを見て育ってきていること、父親が大企業に入って困らないような教育や経験をさせていることを考えると、当然と言えます。それに現在の大企業では、大企業同士でお互いの子弟を採用する仕組みが出来ているように思います。例えば、A銀行の幹部の子弟をB商事で採用し、B商事の幹部の子弟をA銀行で採用するなどです。特に財閥系企業では、グループ内で子弟を優先的に採用しているように思います。その方が取引上好都合なのです。従って、益々田舎出身者が入社する余地は小さくなっています。
このような現状で、熊本市内なら塾に行く子も多く、有名大学や大企業に入る可能性は残されていますが、過疎地の子供には殆ど無いと言っても過言ではありません。過疎地においては、家庭が会社員という家庭も少ないですし、会社員でも東京の大企業のような激しい競争環境の中で生活しているわけではありません。だから、大部分の子は会社員になるという目標が浮かびませんし、そのために有名大学に行くという目標も設定できません。目標が設定できないということは、勉強に実が入らないということです。医者の子供が医者になることが多いのは、小さい時から医者になるという目標を設定しているからです。
このように過疎地の子供が勉強して有名大学に行く可能性は低いし、更に東京の大企業に就職する可能性も低いと思います。入社できても幹部になる可能性はもっと低いです。
こういう中で、過疎地の子供たちに何をやってあげられるかと考えると、コンピュータープログラミングなら都会の子供に負けず、また将来の自分の仕事に繋がると考えられます。
都会の子供の方がコンピュータゲームなどでコンピュータに触れる機会は多いのですが、塾に行き、受験勉強をしなければならないため、プログラミングに時間は割けません。一方過疎地の子供は、そもそも塾が存在せず、受験勉強とも無縁であり、プログラミングをする時間はあります。特に小中学校の統合が進み、スクールバスで通学している場合、全学年授業が終わり、スクールバスが出発するまで時間があるはずであり、この時間を調整して、週2、3回各1時間程度をプログラミング教育に宛てます。近く小学校でもプログラミング教育が始まるということですが、それは実用的なものではなく、プログラミングに役に立つ知識の習得が中心になるようです。それに対して、私が言っているプログラミング教育は、もっと実用的な技術をゲーム感覚で習得させるものです。例えば、小学校のホームページを開設し、記事の作成、更新、運営などを子供でできるようにします。ホームページはワードプレスを使えば簡単に出来ますし、レンタルサーバを使えば、月数百円の費用で済みます。ここから入り、ホームページを自分で作れるようにします。HTMLやCSSを学ぶことになりますが、これは記号の使い方を覚えればよく、ゲーム感覚で身に着きます。更に、Pythonプログラムまで進むことが目標です。Pythonプログラムは、易しいプログラミング手法で、キーボードから命令を打ち込めば、答えが返ってくる仕組みなので、子供でもゲーム感覚で覚えられます。小中学生の間は、プログラムをなぞって書けばよく、理論は高校に進んで勉強すればよいと思います。小中学生のときにこれをやれば、この中からとんでもないプログラマーが生まれるはずです。
また、これを活かした仕事に就く人も多くなると思います。今後プログラミングの仕事は益々増えます。プログラミンが出来れば食っぱぐれはありません。プログラムの仕事に就かなくても、地元に戻って農業をやる場合にも、ホームページやブログを使った情報発信は不可欠です。ホームページを自ら作り、運営できれば、必ず役に立ちます。また、プログラマーなら田舎に居ても仕事ができますので、地元に事務所を置く人も出てきます。こうして地元の活性化に寄与します。これが実を結ぶには、今から始めても10年は掛かりますが、その他に有効な方法は思い付きません。
尚、私が想定している過疎地は、天草・芦北・阿蘇です。この地区の小中学校をプラグラミング教育重点校に指定して、継続的に徹底したプログラム教育を実施します。そうすれば、熊本の代表的な僻地の3Aから、AI(Artifical Intelligence、人工知能)技術者を輩出する3Aに脱皮出来ます。PythonプログラムはAIに最も有効と言われているプログラミング言語です。
(こちらも参考にhttp://www.yata-calas.sakura.ne.jp/