地方から都会への移住こそ促進すべき

総務省が1月31日に発表した2018年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、東京都内への転入超過数(外国人を含む)は17年比9%増の7万9844人。その内東京23区の転入超過数は6万909人で、新宿区を除くすべての区で転入超。東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)の18年の転入超過数は13万9868人で、17年に比べて11%増。三大都市圏では名古屋圏や大阪圏の転出超過が続いており、東京への一極集中の構図になっている、とのことです。

地方に行くと若者の数が本当に少なく、日本の人口減少を痛感しますが、東京・大阪・名古屋などの大都市に行くと、そんな感じは全くありません。私が住む福岡市は、毎年人口が増加しており、特に15~29歳の若者層の割合は日本一高いということで、天神に行くと若者だらけです。日本の人口が減っているというよりは、人口移動が起きていると言った方が当たっているのではないでしょうか。

私は、東京・大阪に住んだことがありますし、名古屋でも1週間生活したことがあります。そこで思うことは、やはり交通インフラが発達しており、生活が便利だということです。地方の交通インフラと言えば、バス便くらいですが、それも便数が少なく不便で、自家用車頼みとなります。自家用車はある年齢になると運転が危なくなり、止めざるを得なくなります。そうすると不便な場所では孤立することになります。年を取ったら地方(田舎)は生活するところではなくなります。

よく地方に移住を呼びかける広告を見かけますが、こういう問題が解決できない中で移住を呼びかけるのは止めた方がよいと思います。どうしても来たい人は仕方ありませんが、人口減少で消滅が心配される中で、根本的解決にならないと分かっていながら人を呼ぶのは無責任だと思います。むしろ地方は割り切って、消滅しそうな地域については、積極的に都会に引っ越すよう推奨すべきだと思います。都会は、車が無くても生活できますし、老人にやさしく出来ています。

東京・大阪・名古屋などの大都市には、膨大なインフラ投資がなされており、これを活用しない手はありません。今後日本の人口が減っても、これらの都会の人口は減らないように維持することが大切になってきます。そのためには、地方への移住を促進するのではなく、地方(田舎)から都会への移住を促進すべきです。