放送法改正、NHK制度見直しが不可欠

2月5日、放送法改正案が閣議決定されたとの報道がありました。改正のポイントは、NHKが放送とネット配信を同時にできるようにすることです。これを認めてもらうためにNHKは、今年10月からの消費税引上げ分をNHKが負担する、来年4月から受信料を2.5%値下げすると譲歩しました。これが精一杯のことと言っています。そしてこの結果、来期は約30億円の赤字になり、さ来期は約215億円の赤字になるという計画だそうです。全く、子供騙しもいい所です。2018年3月決算を見ると、事業収支差(利益)は約240億円のプラスですが、事業活動によるキャッシュフローを見ると約1,148億円のプラスとなっています。これは、事業収支差には、お金が出ていかない費用(例えば原価償却費757億円など)が計上されているからです。従って、約1,148億円の余裕資金が生じているのです。本来なら、これが値引き原資となります。従って、NHKは15%程度値下げできることになります。これをせずに、来期約30億円、さ来期約215億円の赤字にする目的は、テレビ受信機を持たずスマホやPCを持っている人にも受信料を払わせるように放送法を改正してもらうことです。

よく考えてみて下さい。NHK受信料不払い世帯は全受信対象世帯の約20%、約900万世帯です。NHK受信料は、住民税非課税世帯からも徴収しています。住民税非課税ということは、生活するのに精一杯な所得水準であり、住民税を徴収するのは酷ということです。この世帯からもNHK受信料を取り建てているのですから、これだけの不払い世帯が出るのは当たり前なのです。NHK受信料不払いは、払わないのではなく、払えないというのが実体なのです。このことから、NHKが先ずやらなければならないことは、住民税非課税世帯にはNHK受信料を免除することです。これでNHK受信料不払い世帯は殆どなくなるのではないでしょうか。

加えて、NHK制度の見直しが不可欠です。NHKは、公共放送と称していますが、放送内容を見ると公共放送と言える番組は20%もありません。他の番組は民放と変わらない内容です。即ち、NHKは20%の公共放送番組を以て公共放送と称し、残り80%の民放に相当する番組の費用までNHK受信料として徴収しているのです。このため実体に即して公共放送会社と民間放送会社に分割する必要があります。そして公共放送は、国から公共放送会社に委託します。委託費用は、公共放送負担金(税)として所得のある全国民(世帯ではなく)から所得に応じて徴収します。これでNHKの受信契約や受信料回収をめぐるトラブルや低所得ほど負担割合が高いという不公平は解消しますし、国民の負担額は今の5分の1以下となります。こんなにすっきりした解決策があるにも関わらず、監督官庁の総務省や国会議員が動かないのは、すっかりNHKに取り込まれているからです。子弟や親族、関係者をNHKやNHKの子会社に就職させたり、就職を依頼したりして、利益共同体の関係になっているからです。これから国会の総務委員会で放送法改正案の審議が始まりますが、このような関係のある国会議員は利害関係者であり、審議には加われません。皆さん良く監視しましょう。

それから、NHK受信料に不満な人たちは約3,000万人はいると思われますが、何もしなかったらNHK受信料制度は変わりません。NHK受信料制度を変えるには、NHK制度見直しを公約に掲げる人を国会に送り込むしかありません。だから、NHK受信料に不満な人たちは、国政選挙や地方選挙で投票に行って、NHK制度見直しを公約とする人に投票する必要があります。そして、放送法改正案に賛成した議員および政党には絶対投票しないことです。それをしない限りNHK受信料問題は解決しません。