電気通信事業法改正、携帯電話の強欲3兄弟は改心するか?

2月5日、電気通信事業法の改正案が閣議決定されたと言う報道です。これは国民収奪を止めない携帯電話3社の横暴を正すための法案です。ドコモ、KDDI、ソフトバンクという携帯電話回線を持つキャリア3社は、2019年12月の第3四半期決算で売上高10兆1,438億円、営業利益2兆2,926億円を上げています。営業利益率は23.2%です。日本最大のメーカートヨタは、売上高は22兆4,775億円、営業利益1兆9,379億円、営業利益率8.6%ですので、売上高は約半分ながら、営業利益では約3,500億円上回り、営業利益率は14.6%も上回ります。それだけの創造的な技術やノウハウに基づく事業なら仕方ありませんが、通信設備や通信機器は、他のメーカーが供給しており、3社の利益の源泉は、通信回線を保有していることです。それもこの通信回線は、国民の財産であり、国から割当を受けているものです。即ち、国民の財産を貸したら、それを使って国民から収奪している構造です。そもそも携帯電話は国民生活のインフラであり、その事業は公益事業です。電気やガス、水道事業と同じ性格のものです。公益事業の代表である電力9社の昨年3月期決算の営業利益率は約5%です。従って、キャリア3社の営業利益率も約5%が適切であることは自明です。これを長い間約20%も続けたため、キャリア3社の自己資本は11兆円(2018年9月末)に積み上がっています。これは家計から吸い上げたものです。公益事業は、生活に不可欠な物やサービスを扱っていることから、儲けようとすればいくらでも儲けられます。それを防ぐため、中央官庁の監督下に置かれています。携帯電話業界の監督官庁は総務省ですが、キャリア3社がこれだけ国民収奪を続けられたのは、総務省が収奪の司令塔の役割を果たしたからです。総務省とキャリア3社は水と魚の関係にあったのです。総務省で長く電気通信行政を担当し、事務次官までなった元官僚は、キャリア3社の大量の広告を扱う大手代理店に天下りし、今年取締役に昇格すると言う報道です。これから値下げ阻止で動くのではないでしょうか。

電気通信事業法は6月くらいまでには成立し、それに従って具体的指針が作られることから、実際に通信料が値下げになるのは、今年の秋以降と言われています。この電気通信事業法の改正は、キャリア3社の悪行を認定したことであり、キャリア3社は改心して、速やかに改善策を実施すべきです。具体的には、国民を自社から逃げられなくすることが目的の2年縛り契約、4年縛り契約、高額な違約金条項を廃止し、営業利益率5%となるレベルまで通信料を下げるべきです。

これまでのキャリア3社の強欲さは、かっての消費者金融と同じです。消費者金融は、社会的批判を浴び、最後は法律改正により多くが消え去りました。キャリア3社がこのまま改心せず今の強欲姿勢を続けたら、次は通信回線の国有化や別会社化に踏み込む必要がります。

強欲3兄弟の改心が必要です。