日産がやるべきは92億円の報酬支払い義務がないことの確認のはず

ゴーン事件の日産の対応がおかしいです。2月12日発表の2019年3月期第三四半期決算において、ゴーン容疑者に対する未払い報酬として約92億円を計上しました。これは確定したものではないと言う説明です。将来日産社内や検察の取り調べにおいて支払い義務が生じるかしれないから保守的に計上したと説明しています。検察は、ゴーン容疑者の報酬は年間約20億円であり、毎年約10億円を受け取り、残りの約10億円は、コンサル契約などを結んでおき、ゴーン容疑者が日産取締役を退任後に受け取ることになっていたから、有価証券報告書には年間約20億円の報酬を記載すべきなのに記載しなかったから、有価証券報告書虚偽記載罪に当たると主張しています。しかし、日産の説明では、まだゴーン容疑者が受け取っていない約92億円については、支払い義務が確定しているわけではないと言っているのです。ゴーン容疑者が残りの約92億円を受取るためには、ゴーン容疑者と日産との間のコンサル契約などが日産の取締役会で承認されていることが必要です。承認されているかどうかは、取締役会議事録を見れば直ぐ分かります。日産が2019年3月期第三四半期決算の報告で、支払いが確定したものではないと説明していることは、例え契約が存在したとしても(存在しているのかどうかも明らかではありませんが)取締役会で承認されていないということです。ということは、ゴーン容疑者やケリー容疑者が主張しているように、残りの報酬約92億円については、支払いが確定したものではなかったから、有価証券報告書に記載する必要はなかったことになります。

そもそも日産は、ゴーン容疑者が約92億円受け取らなかったことで利益を受けているわけで、ゴーン容疑者が受け取る権利は確定していなかったと言っているのに、これを否定する必要があるのでしょうか?否定する行為は、会社に損害を与えようとしているとしか思えません。日産の取締役および監査役は、日産の利益を図ることよりも、ゴーン容疑者を有価証券報告書虚偽記載罪で有罪にすることを重視しているように見えます。有価証券報告書虚偽記載罪が成立すれば、法人としての日産も有罪になるわけで、日産の取締役および監査役の行為は、会社に罪を着せる行為でもあります。これは会社に対する背任行為と言えます。

会社は営利追及団体であり、その取締役および監査役の行為は、先ず会社の利益追求でなければなりません。今の日産の取締役および監査役の行為は、会社の利益の追求ではなく、会社の不利益の追及になっています。今日産が行うべきことは、残りの約92億円については、ゴーン容疑者への支払い義務が存在しないことを確定させることです。これによって、日産は、約92億円の支払い義務を逃れることにより利益を得るし、法人として有価証券報告書不実記載罪に問われることもありません。