子供の才能を伸ばすには私立中学校の増加が必要
高校授業料の実質無償化の影響で公立高校の応募倍率が低下しているとの報道です。東京都場合、無償化前1.5倍程度あった応募倍率が今年は1.4倍になったということです。東京都は元々私立高校への進学率が高かったですが、これまで公立高校進学率が高かった群馬県でも後期試験の応募倍率が過去最低の1.12倍になったということです。原因は、いずれも私立高校への進学が増えたためと見られています。
今の東大の合格状況を見れば私立高校が殆どです(上位10校のうち8校は私立)。それも中高一貫校です。これらの中高一貫校は、勉強ができ、意欲がある子供を小学生から選抜し、東大合格から逆算した教育プログラムを実施しているのですから、東大合格者が多いのは当たり前です。公立高校の場合、平等を重視し、能力別クラス編成もしないし、受験のための特別なプログラムも実施しないところが大多数ですから、差が着くのは当たり前です。東大などの難関大学、または医学部に進学しようとすれば、中高一貫の私立高校に進学するのが当然になります。しかし、現状では高校授業料が無償化されただけで、中学校授業料は無償化されていません。従って、中高一貫の私立進学校に行きたくても、経済的事情で行けない子供も多いと考えられます。お金持ちの家庭は、この部分でまだ差が付けられるとホッとしていると思われます。
誰が考えても、先ずこの部分を解消する必要があります。即ち、私立高校の授業料を無償化するのなら、義務教育であるところの私立中学校も無償化すべきなのです。公立中学と私立中学では教育力に差があるのは事実ですから、経済的理由で私立中学に進学できない子供はなくさないといけません。
難関大学への進学で私立中高一貫校が良い結果が出ていることで分かるように、才能教育は中学から実施した方が効果的であり、それも私立中学の方が向いているということが分かります。従って、勉強ばかりでなく、スポーツや音楽などについても私立中学の設立を促進する必要があります。即ち、小学校で才能が顕著な子供は、その才能を伸ばす道を準備してやる必要があります。最近卓球やサッカーでは、中学からエリート教育を実施し、効果を上げています。野球の甲子園出場校でもトレンドになってきているようです。この方式をできるだけ多くの分野に広げていくべきだと思います。これからは、学習力を伸ばす偏差値教育ではなく、個人が持つ才能を伸ばしてやる才能教育が必要です。そのためには私立中学を増やすことが必要です。