昨年、歯が破損し、久しぶりに歯科医院に行きました。そのとき破損した箇所は、上奥歯の3本連結していた歯の真ん中でした。この部分は30年程前に酷い歯周病にかかり、1本ずつでは噛む力に耐えられないため、3本とも神経を抜き連結したものでした。家（当時大阪市内）の近くの歯科医院で5年後は総入れ歯と言われた程酷い歯周病だったのですが、群馬県高崎市の1人の優秀な歯科医を知り、魂の籠った治療を受けて、その後30年無事だった歯でした。3本連結した真ん中の歯が横に割れたため、その両隣の歯に横方向の力が加わり、その結果3本とも動揺し始めていました。そのためか、奥歯で物を噛むと上の方が圧迫されるような鈍痛がありました。30年前の時点で、歯周病で骨が溶け、歯根は骨に浅く埋まっている状態でしたので、これは3本ともダメで、インプラントが必要になるかもと予想していました。すでに4本のインプラントを入れていましたので、インプラントには抵抗はありませんでしたが、上の歯槽骨は柔らかく薄いということで、今回はソケットリフトやサイナスリフトなどを使うやや難しい手術になる可能性がありました。

そういう予想のもと、ネットでインプラントの経験が豊富そうな歯科医院を選び、訪問しました。そこはインプラントセンターを置いており、インプラントに力を入れているようでした。そこで歯科医に歯の状態を告げたところ、患部の目視もせず、先ずCT画像を撮らせて欲しいと言います。CT画像撮影後歯科医の室に呼ばれ、PCの画面でCT画像を見せられ、この3本の歯はもう使えないから抜歯し、代わりに2本のインプラントを入れ、3本の歯を載せるのがいいだろう、と言われました。これは予想通りでした。治療費について聞くと、インプラント1本40万円で2本だから80万円という見積もりでした。これまで入れたインプラントは1本25万円以下でしたので、高いなと思いました。その後、治療室で診察されましたが、さっと見ただけで、割れている部分を確認することもありませんでした。この一連の流れを見て、最初から既存の歯を生かす気はなく、インプラントありきだなと感じました。私には、割れた歯を治療すればまた元通り使えるのではという期待があり、聞いてみたかったのですが、そんな状況ではありませんでした。30年前に5年後は総入れ歯と言われた歯を救ってくれた高崎の歯科医は、「歯は生きたがっているから、ちゃんと治療すれば一生使えますよ」と言っており、その通り30年持っていたので、既存の歯を生かす治療よりインプラントという姿勢には違和感が残りました。

そのためセカンドオピニオンとしてもう1軒歯科医院を訪ねましたが、そちらも同じような対応で、治療費の見積もりは2本で100万円を超えるものでした。これらから、歯科医院はコンビニより数が多くなっており、保険診療ではやって行けないため、自由診療であるインプラントに力を入れていることが伺えました。ネットで調べると、私が住む市内の歯科医院のインプラント1本当たりの治療費は、ほぼ40万円程度となっており、そういう相場が設定されているようでした。

インプラント治療の場合、先ず抜歯があり、その後3カ月程度おいてインプラント埋入手術、さらに3か月程度おいて上物の歯を取り付けますので、順調に行けば3回の治療で済みます。従って、虫歯の治療のように何回も通う必要はないので、近くの歯科医院である必要はありません。ネットで調べると、地方の歯科医院のインプラント1本当たりの治療費は高くても25万円程度が多く、2、3時間かけて出かけても地方の歯科医院で治療を受けるのもありだと思います。私は30年前大阪市内から群馬県高崎市の歯科医院まで約1年半治療に通いました。地方にも腕の良い歯科医は必ずいますので、高額なインプラント治療においては、地方で治療を受けることも考えて見る価値があると思います。