ファイアムーブメント

アメリカで30代、40代で早期退職する人たちが増えているという報道がありました。ファイア(fire)ムーブメントと呼ばれているとのことです。これは、会社を解雇されて仕方なく仕事を離れると言うのではなく、積極的に仕事はもういいと考えて仕事を離れるというものです。もちろん、仕事が好きで高額報酬を求めて会社を渡り歩く人の方が未だ数は多いと思われます。

しかし、よく考えると、このファイアムーブメントが盛んになるのは当然のことだと思われます。おそらく好きでもない仕事を生活のためにしている人が多数派だと思われます。それは、仕事で成功しているように見える人にも相当いると思われます。そういう人にとっては、仕事をするのは生活費を得るためであり、将来の生活費を確保したら、働き続ける動機が無くなることになります。これに他にやりたいことややりたい生活スタイルがあれば、そこで早期退職するのが自然のように思えます。定年まで仕事をするというスタイルは、仕事が生きがい、または他にやりたいことややりたい生活のスタイルがない人の生き方とも言えます。

30代、40代で将来の生活費まで確保できる人は幸運な人かも知れませんが、最初からそういう計画をもって臨んでいれば、実現不可能なことではりません。私も仕事は好きではなかったし、仕事をするのは生活の糧を得るためと考えていたので、50歳までにはお金を貯めて仕事を止めようと考えていました。30代後半から40代前半にかけてはバブル崩壊の影響で不景気で、仕事があれば良い方で、お金を貯めるような状況ではありませんでした。40代後半になって好景気となり株価が上昇し、余裕資金の殆どを株式で運用していたため、50歳頃目標としていた評価額に達していました。そこで仕事を止めて田舎で生活することを真剣に考えていたところにリーマンショックが起きて、株式の評価額は半分以下となり、仕事を辞めるどころではなくなりました。その後まじめに貯金し、周囲の状況もあり53歳で退職しました。その後は第二の故郷である福岡に住み、好きなことをして生活していますが、もっと早く仕事を辞めて今の生活をしたかったなという感じです。私はそもそも怠け者で、仕事には向いていないと思います。

日本にも私のような怠け者が多数いると思うので、今後は40代で仕事を辞め、思い描いた生活に入る人が増えてくると思います。テレビで「ポツンと一軒家」という番組が人気のようですが、これもこういった潜在ニーズの表れのような気がします。私も大ファンです。