認知症の原因は体内発生アンモニアかも?

政府は5月16日、70歳代の認知症の割合を10年間で1割減らす目標を掲げる認知症対策大綱を発表しました。で具体的対策はというと何もありません。そのはずです。認知症になる原因がまだ分かっていないのですから。従って、当該大綱はいわゆるお題目です。中身が何もありません。

認知症については、私が2,3年前に数年後に間違いなく認知症になると思わせる症状になったので、とても関心があります。当時は、体がだるく、朝から畳の上で横になることが多かったり、階段をフウフウ言いながら登る状態でした。起きている間常に疲労を感じていました。机に座り本を読もうとしても15分も読むと目が痛くなり、体がどっと疲れ、1時間横になる状態でした。そしてちょっと混み入った内容の本は意味が理解できません。かつ、ちょっとした固有名詞も記憶できないのです。また、友人や知人の名前もなかなか思い出せません。疲れているのに夜床に就いてもなかなか寝付けないのです。12時に床に就いても、朝の4時、5時まで寝付かないことが何回もありました。何かストレスがあるとか悩みがあるということは全くありませんでした。仕事もリタイアし、ストレスフリーの状態なのに、です。体力不足なのかと夕方ジョギングしたり、近くの低山に登ったりしたのですが、体力が付いた感じはせず、それまで63,4kgあった体重が55kg程度まで落ちました。ズボンのエスト84㎝が73㎝まで落ち、多くのズボンがぶかぶかになってしまいました。久しぶりに友人にあったら、一回り小さくなったねと言われる状態でした。こういう場合ガンが疑われますが、それはありませんでした。痩せるのは年のせいだろうで済むのですが、記憶障害の症状については、認知症の恐怖が襲って来ました。若いときから記憶力はよく、暗記力のおかげで大学にも合格した方なので、認知症には絶対にならないと思っていました。それが自分でこのまま行けば4,5年後には認知症になると考えるまでになったのです。

ところがそれがある機能性食品を飲み始めたらすっかり解消したのです。それはオルニチンです。よくテレビで「しじみ300個分の」とか宣伝しているあれです。そもそもああいう宣伝は全く信じない方なのですが、睡眠障害が酷く、病院で睡眠導入剤を処方してもらう前に、アミノ酸を成分とする機能性食品で睡眠導入効果を謳っている商品を試してみようと考えたのが始まりです。候補は、味の素が睡眠アミノ酸と宣伝していた「グリシン」と協和発酵バイオが「朝から二度寝していた妻が」(すっかり元気になった)と宣伝していた同じくアミノ酸の「オルニチン」でした。試供品を申し込んだところオルニチンが先に到着したのでさっそくその夜飲んで寝ました。そしたら1時間程度で眠りに落ち、朝の6時くらいまでぐっすり眠れたのです。目が覚めるといつもと違い疲れを全く感じません。かつ、いつもならどんよりしている頭や目がすっきりしているのです。「あれ、変だな。何か調子いいな。気のせいかな。」と思いました。その日は全く疲れを感じることなく1日を過ごしました。こういう日はなかなか寝付けないのが常でしたが、オルニチンを飲んで寝たら40、50分で寝つき、朝6時くらいまでぐっそり寝れたのです。そしてその後は前日と同じで全く疲れを感じません。これは効いているという確信を持ちました。その後到着した味の素のグリシンは、もういいやという気分で飲んだので効果は良くわかりませんでした。

私にとってオルニチンの効果は劇的であり、「シジミ300個分の」という胡散臭いイメージと全く異なっていました。その効き方が医薬品顔負けなのです。そこでオルニチンは医薬成分なのではと考えてネットで調べて見ました。そしたら医学部生や看護学生向けの生化学の解説書に、肝臓の2つの重要な機能としてエネルギーを作るクエン酸回路とともにオルニチン回路という名前が出て来るのです。肝臓の重要な機能として解毒作用ということが言われますが、毒が何を意味するか多くの人は分かっていないと思います。お酒を飲み過ぎたときのアルコールの分解や食品に含まれる化学物質の分解などがその内容だと思っていることと思います。実は肝臓の解毒作用を最も必要とする毒素はアンモニアです。人間は、食事で皮膚や筋肉などの成分となるタンパク質を大量に摂取しますが、タンパク質は20種類のアミノ酸からできています。アミノ酸はアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持つ物質です。タンパク質が胃や腸で分解されると-NH2が分離され、同じく遊離したHと結合しNH3(アンモニア)が大量に作られます。アンモニアは毒性が強いので、できるだけNH4+(アンモニウムイオン)に変えられたり、グルタミン酸やグルタミンなどに変えられて腸壁から吸収され、解毒の為急ぎ肝臓のオルニチン回路に運ばれます。オルニチン回路では、運ばれてきたアンモニアとオルニチンが結合し、シトルリンに変化し、その後アルギニンなどに姿を変え、アルギニンが尿素とオルニチンに分解し、尿素は血中に放出し、オルニチンはまたオルニチン回路を回ります。即ちオルニチン回路で有毒のアンモニアが無毒の尿素に変換されるのです。尿素は血中を腎臓に行き、尿管から尿として体外に放出されますが、放出しきれなかった尿素は血中を循環します。血液中では尿素が分解したりタンパク質が分解したりするので、血液中のアンモニア値は0にはならず、このアンモニアは皮膚などから放出されます。アンモニアは毒性が強く、脳の神経細胞が一番影響を受けるようです。脳に血液などが流れ込む際の関門である脳幹もアンモニアはブロックできないと言われていますし、アンモニアは細胞液に混じり細胞を通過するので細胞を通過したアンモニアが脳内に入るとも言われています。脳内に入ったアンモニアが脳の神経に触れ、脳の神経を傷害している可能性があります。傷害を受けた神経細胞は傷害箇所を保護するためにある特殊な物質を産生している可能性があります。それがアミロイドβではないかと思います。認知症患者の脳の特徴としてアミロイドβが蓄積していると言われ、認知症はアミロイドβが原因という説もありますが、私はアミロイドβはアンモニアによって傷害された神経細胞を保護するための物資ではないかと考えます。

私に数年前に認知症になりそうな症状が生まれたのは、オルニチン不足により食事によって発生したアンモニアを尿素に変えられず、大量のアンモニアが血液循環に入り、脳内に達し、その結果脳神経を傷害し、その傷害を保護するためβアミロイドが発生するようになり、それが邪魔をして脳神経が情報を上手く交換出来なくなったからではないか、と考えられます。オルニチンはアルギニンの分解やアルギニンとグリシンの合成などにより作られるようですが、私の場合、その分解や合成に必要な酵素が不足し(加齢もあるが遺伝子レベルで欠陥がある)、オルニチンが不足していたものと考えられます。従ってオルニチンを摂取したらこの症状は解消したのです。

その他の症状も、血中アンモニアが多いと脳の神経細胞を刺激するため不眠状態が生じる、アンモニアが細胞液に混じり肝臓や腎臓などの各臓器の細胞を傷害し各臓器の機能が低下したため、それに合わせ脳が体の活動を不活発にした(疲れた状態にした)と説明できます。私の場合、これまで悩まされていた殆どの症状が解消しました。

アンモニアは体内で作られる最大の毒素であり、人は生きていく限り、これを除去し続けなければなりません。この機能が落ちれば、体内のアンモニア濃度が上昇し、様々な体の不調となって表れると考えられます。しかし、この体の不調は病気とは認定されていないため、処方薬がありません。アンモニアは体内最大の毒素でありながら、健康診断の検査項目にもなっていません。これは、アンモニアが不安定な物質であり、採血後温度を一定に保つ、血液成分が分解しアンモニアが発生しないよう特殊な薬剤を加えるなど検査に手間とコストがかかるからのようです。これが障害となって、病院でアンモニア濃度の検査が行われることは殆どありません。その結果、加齢に伴い確実に増えることが予想されるアンモニアが引き起こす疾患、体の不調は放置されていると考えられます。

認知症もアンモニアの増加に伴って発症する可能性があり、原因が分からない現在、有力な原因候補になると思われます。検証が必要です。