NHK受信料の廃止は大阪府民に懸かっている

NHKのすべてのテレビ番組を放送と同時にインターネットで流せるようにする改正放送法が29日の参院本会議で可決・成立しました。これを審議する衆参の総務委員会の委員の多くは、NHKに息子や娘、関係者を就職させている国会議員が占めていることから、最初から想定された通りのシャンシャン成立です。これによりNHKは、NHKのテレビ放送と同時にネットでも流すことになり、受信装置とされるPCおよびワンセグ、カーナビなどからも受信料を徴収する体制を着々と築いたことになります。そして行き着き先は、世帯別ではなくこれらを持つ個人別徴収です。

NHK受信料は日本で最も不条理な制度です。そもそも見なくとも受信契約を結ばされます。放送法に受信機を購入し受信できる体制になったら、受信契約を結ばなければならいと書いてあるからです。そして、住民税非課税のような困窮世帯からも受信料を取り立てます。その中には生活保護レベル以下の世帯も含まれます。これらを可能とする放送法は、個人の合意に基づいて成立するという契約の考え方にも反しますし、健康で文化的な生活の保障の考え方にも反することから、本来なら憲法違反です。しかし、2017年12月最高裁は合憲と判決しました。これは、最高裁が司法権の独立を放棄し、政府や法務省などの行政に従属しているからです。最高裁は法務大臣の違憲判断阻止に向けた意見書通りの判決をしたのです。それは違憲判決を出したら、NHKが立ち行かなくなるという事態の発生を危惧したためでもあります。しかし、根本的には最高裁が政府や行政府に従うことを受け入れ、司法の独立の気概が薄いことにあります。また違憲判決を出せば、政府や法務省、国会などと激しい軋轢が生じることになりますが、年老いた名誉職的な感覚の最高裁判事にはこれらと戦う気力も体力もなかったのです。

一方隣国韓国では、政府からの度重なる圧力にも関わらず韓国最高裁は、徴用工について日本企業への賠償請求権が消滅していないと判決しました。この問題は、日本と韓国の政府間では日本から韓国政府に賠償金を支払ったことで解決済みとされていたのですが、韓国政府がこの賠償金から徴用工に賠償をしていなかったため、徴用工の賠償請求権は消滅していないと判決されたのです。徴用工の請求権の相手は直接的には韓国政府ではなく徴用した日本企業となります。従って、日本政府は韓国政府を責め、徴用工は日本企業に賠償を取り立てることが起きているのです。この判決を下せば韓国政府と日本政府の大きな外交問題になることは分かっていましたから、韓国最高裁の判事たちは、この判決を出すに当たっては大きなプレッシャーに晒されたと思われます。その中でこの判決を出したのは、司法の独立を守ると言う気概が強かったからだと思われます。日本の最高裁なら国家間の合意により徴用工の請求権は消滅していると言う判決になっていたはずです。司法の独立の観点では韓国が上を行っています。

NHKは、この司法権の独立を放棄し行政に従属した最高裁判決を利用し、受信料徴収を進めているようです。2019年3月期の実績では支払い率81.2%と初めて80%を超えたと言っています。放送法は悪法ですが、独立性を放棄した行政従属の司法に悪法を正すことは期待できません。一方、悪法を改正する権限を持つ国会議員はと言えば息子や娘、関係者をNHKやNHKの関係会社に就職させ、NHKの傭兵と化し、受信料支払い者側に立った放送法改正は期待できません。ならば受信料で苦しむ人たちは、放送法改正を公約とする議員を国会に送り込むしかありません。NHK受信料未払いは、全対象世帯の約19%で約900万世帯です。この有権者数は1,350万人(1世帯1.5人)程度と考えられます。従って、この人たちが全員放送法改正を公約とする党に投票すれば、その党は約1,350万票獲得することになります。これなら衆議院全国区なら50名くらいの国会議員を誕生させられます。NHK受信料は払っていながらも不満を持つ人が不払い者以上いますので、放送法改正を公約とする党の支持者は約3,000万人程度います。選挙の結果同党が一挙にトップ政党になる可能性だってあるのです。

今度の参議院選挙には、NHK受信料改革を訴える「NHKから国民を守る党」が候補者を立てます。昨年来東京を中心に地方議会で30名以上の当選者を出しています。参議院では全国区で2名の当選者を目指しているようですが、この実現はNHK受信料不払い率全国2位(32.5%。一位は沖縄の49.0%)の大阪府民に懸かっていると思われます。何故なら、東京(不払い率30.3%)より高い不払い率でありながら、大阪府内の地方議会選挙で同党の候補者が当選できない、即ち不払い者が同党の候補者に投票していないからです。大阪府のNHK受信料不払い者の皆さん、NHK受信料を廃止するため次の参議院選挙では同党へ投票して下さい。