IWC脱退、韓国への輸出規制・・・いつか来た道?
日本は6月30日に国際捕鯨員会(IWC)を脱退し、7月4日には韓国への半導体材料の輸出規制を実施しました。これらの様子を見て米国のウォール・ストリート・ジャーナルは「日本がトランプ流の手法」に舵を切ったと書いています。たしかにトランプ大統領が2017年にパリ協定から脱退したことや最近の中国への制裁措置にそっくりです。
IWC脱退については昨年12月26日に表明し、今年6月30日に脱退の効力が生じたものです。IWC脱退というニュースを聞いて1933年の国際連盟脱退を思い浮かべました。あれから日本は戦争への道を歩み始めました。国際機関を脱退するということは、国際的に仲間外れになるということであり、国家の決断としては相当の覚悟が必要になります。しかし、一旦脱退してしまうとこれより程度の低いことには抵抗が無くなるようです。6月30日のIWC脱退後、7月4日に韓国に対する輸出規制を実施したのは偶然ではないと思います。国際関係を破綻させることに心理的抵抗が減少しているのです。もちろん参議院選挙の公示日に合わせたということもあると思います。日韓両国とも相手国が悪いと思っている国民が多く、強気に出ることが選挙で支持を得る近道です。しかし、これがエスカレートすると最悪偶発的交戦にも行きかねません。
安倍首相は世界一トランプと会っている世界のリーダーで、トランプ流へのあこがれがあるように思えますが、トランプのアメリカと日本は置かれている状況が全く違うことに留意する必要がります。アメリカは巨大な軍事力と世界一の経済力を持ちます。孤立しても生きて行けるのです。一方日本は、防衛面はアメリカにおんぶにだっこですし、国の経済力では中国に抜かれ、一人当たりで見れば世界の20位台と普通の国です。即ち、世界の各国と仲良くしないと生きて行けない国です。私は今のまま行けば日本は世界で孤立するようになると思っています。アメリカは安保破棄をちらつかせ日本にストレスを与えるでしょうし、中国は日本とアメリカの関係が弱まったら日本を叩いて来るでしょう。その場合韓国は中国に味方します。北からはロシアが虎視眈々と領土拡大を狙っています。欧州は、安倍首相がロシア制裁などに協力しなかったことから、日本を応援するとは考えられません。安倍首相の日本はアメリカに抱き着くことに依って世界での地位を保っていると言えます。
自分らに近いレベルの指導者には親近感がありますが、国際社会の荒波を乗り切るためにはやはりもっとキャパのある指導者が必要になって来ている感じがします。このまま進めばいつか来た道です。