ゴルフはスキーと同じ道を辿る

渋野選手フィーバーで女子プロゴルフの人気が凄いことになっています。試合があれば渋野選手見たさにギャラリーが集まり、入場者の記録を更新しているようです。先週も北海道小樽でニトリレディースが行われました。渋野選手は火曜日の練習ラウンドは歯痛と発熱のため取り止め、前夜祭は欠席しました。翌水曜日はプロアマ戦で渋野選手と回ることを楽しみにしていたVIPがいるはずなので、どうするのだろうと思っていたら、さすが渋野選手出場しました。一緒に回ったVIPが主催者代表の似鳥会長、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑名誉教授それに中島常幸プロという豪華な顔ぶれでした。もしギャラリーを入れたら、この組にたくさんついたことでしょう。本庶先生のゴルフ好きは有名で、本庶先生は全英オープンに勝つ前から渋野選手に目を付けていたということですから、研究と同じようにグルフ選手の評価力もあるようです。明るい渋野選手とのラウンドは、大学の学生とのラウンドのようで楽しかったようです。こんなラウンドなら企業としても主宰する価値があると思われます。

女子ゴルフは今年36試合が行われる予定で、盛況です。テレビ局との間で放映権問題が持ち上がり、昨年より2試合減ったようですが、それでも盛況と言えます。試合数が最も多かったのはバブル期に当たる1889~1992年の年間39試合だそうです。

しかし、男子を見ると、年間24試合となっており、女子より12試合少なくなっています。男子の試合は1993年には43試合行われていますので、ほぼ半減しています。青木選手や中島選手、尾崎選手など世界的にも通用する選手がいなくなったことが原因の1つだと思われますが、もう1つ大きな原因があるように思います。

それはゴルフ人口の減少です。現在のゴルフ人口は600万人程度で最盛期の3分の2程度に減少したと言われています。その結果倒産するゴルフ場も後を絶ちません。

私もサラリーマンの頃ゴルフをやりましたが楽しいとは全く思いませんでした。止まっている玉を撃ち、穴に入れる競技のどこがおもしろいのだろうという気持ちが消えることはありませんでした。だから当然上手くなりませんでした。コースに出るのは年間6回くらいで、その前にちょっと練習に行く程度のゴルフですから、上手くなるわけがありません。上手くなっている人は、あり時期年間何十回とコースに出ています。お金の掛けようが半端ないのです。年間2,3回行われる会社のコンペではそんな連中と一緒に回るのですから、大きな差が出ます。その差は仕事の実力の差、持っている能力の差と見なされることが多く、ゴルフの下手な人にとってゴルフはデメリットばかりだったように思います。それに気付いた私は40歳前にゴルフは止めました。止めて見ると何であんなものをやったのだろうと思うばかりです。先ずゴルフ場が遠いです。車で高速を使っても2時間以上かかる所が大部分でした。それに高いです。1ラウンド最低1人2万円くらいで、バブルの頃は社用で1人4万円以上のところでやることもありました。とても若者ができる競技ではありませんでした。それにゴルフは運動神経がよくないと上手くなりません。従って、ゴルフが上手くなる人は限られており、そんなにゴルフ人口が多くなるはずがないのです。私は今でも多過ぎ、更に半減するのではと予測しています。スキーの人口が最盛期約1800万人で、現在が約600万人と言われており、3分の1に減少しています。スキーもスキー場が遠いことが1つのネックであり、ゴルフと同じです。また上達に運動神経が必要なこともゴルフと同じです。お金の面ではスキーはゴルフの半分くらいで済むメリットがあるのですが、それでも最盛期の3分の1に減少していますので、ゴルフも最盛期の3分の1に減少するという予測は、そんなに無謀な予測ではないと思います。

こういう中で女子ゴルフの試合も今の人気を保つのは不可能であり、これから日本の人口減少、高齢化および所得の減少に伴って試合数が減少していくと考えられます。渋野選手の出現は女子ゴルフ隆盛の頂点を告げる打ち上げ花火のように思われます。