日本の再興には私立学校中心教育への移行が必要

日本は1人当たり国民所得で見ると世界で27位程度であり、豊かな国とは言えなくなっています。これは国民の生活実感と一致します。また日本はG7先進国首脳会議のメンバーですが、この7カ国が既に先進国とは言えなくなっています。日本人においても日本って本当に先進国かと懐疑的になっている人が増えていると思います。以前はメイドインジャパンと言えば高品質の代名詞でしたが、今世界で良く売れているメイドインジャパンがどれくらいあるでしょうか。テレビなどの電化製品は韓国や中国に追い抜かれましたし、パソコンや半導体、液晶ディスプレイもあっという間に韓国や台湾、中国に追い抜かれました。残るは自動車くらいではないでしょうか。日本が戦後豊かになったのは資源を輸入して工業製品に加工し輸出したためであり、輸出代金として海外の資金を獲得したからです。それが今では輸出できる物が少なくなっています。その結果、輸出代金が入らなくなりましたから、豊かでなくなるのは当たり前です。輸出の代わりに海外事業所からの利益送金は増えていますが、輸出の減少分を補うのは不可能です。こういう中海外からの観光客を増やし、お金を落としてもらおうとしていますが、観光は儲かる産業ではありません

やはりもう一度日本が豊かになるためには、メイドインジャパンの製品を復活させるしかないと思います。戦後ならアメリカやヨーロッパの国々をターゲットにして中央官庁がキャッチアップ計画を作り民間はそれに従っていればよかったのでしょうが、今は真似ればよいお手本となる国もなく、中央官庁も企画立案能力が低下しています。そうなると個別の企業で考えてやって行くしかありません。この点で多くの企業が苦闘しています。このような経験がないからです。

それはこれまでの日本の教育にも問題があるように思われます。日本は学校の大部分が公立学校です。公立学校には大きな欠陥があります。それは公務員教師が教え、教育内容は国の統制下にあるため、画一的な教育になることです。即ち、平均的なレベルの子供に合わせた教育が実施され、才能のある子供が才能を伸ばす機会が提供されていないのです。平均的国民を量産するには都合の良いシステムですが、個人の才能を伸ばすのには適したシステムではありません。

いつの世も革新的な製品を開発するのは、一握りの天才です。従って、日本が再び世界をリードするような製品を開発して、輸出主導型の豊かな国になろうとすれば、特異な才能を持つ子供を発掘し、その才能が伸びるような教育を行っていくしかありません。それには、教師に優秀な人材を揃える必要がありますから、公務員教師では不可能です。小学校から高学歴の優秀な教師を採用する必要がります。その為には当然高給が必要となります。これは私立小学校でないと不可能です。そして中学校からは生徒の才能に応じた才能別進路を採る必要がります。そのためには私立中学校が必要になります。そして才能が見つからない子供は公立中学校となります。私立中学校に進学した子供はそのまま一貫校の私立高校に進学します。基本的には私立は才能教育担当、公立は際立った才能が見つからない生徒のための普通教育担当です。大学進学率は2割で良いと思います。高校で学力が高い生徒の2割が大学に進めば十分です。現在の大学進学率は5割強あるようですが、勉強が嫌い、高校で成績が悪かった生徒が大学に行っても意味がありません。それ以外は職業に就くための専門学校に進学すべきです。これからの企業は、採用した学生をOJTで育てるのではなく、即戦力の学生を採用するようになります。それならば専門学校が良いことになります。

このようにして才能のある子供は中学校から本格的に才能教育を実施し、中高大と才能に応じた教育を施します。この中から、世界的にも優秀な人材が生まれると考えられます。日本の再興にはこれ以外ありません。尚、このための教育費は家庭の所得に応じ国が支援し、誰でも才能に応じた教育を受けられるようにします。