基礎年金は保険と位置付けるべき
年金制度に対する不安が増大しています。年金世代が増加する一方それを負担する現役世代が減少するのですから、誰が考えて維持不可能なことくらい分かります。年金不安が国民の節約志向を高め、消費低迷の要因になっていると言います。これでは元気のない日本になります。
この問題の解決のためには、基礎年金については保険の性格を全面にだすしかないと思います。年金は、生きている期間だけ受け取れるものですから、この限りでは今でも保険です。一方、年金は、老後の生活資金に充てるためのもののはずなのに、生活資金は十分持っている資産家や富裕層にまで支給されています。保険の性質からすれば、年金(保険金)は、老後運悪く生活していくための資金が確保できなくなった人に限り支給されるものです。隠居生活に入った資産家や富裕層にとって、年金は無くても全く困らないものです。それは、人生において事故なく成功したためです。即ち、保険金を支給するための条件である保険事故(年金がないと生活できない状態に陥る)が起きなかったということです。年金と同じように毎月掛けるものとして国民健康保険がありますが、保険金を掛け続けたけれど一度も病気をせず保険金の支払いが無かったと言って掛金を返せと言う人はいないと思います。それと同様に65歳になって豊富な財産を持ち年金の支給を受ける必要が無い人は、年金の支給を受けなくても文句はないのではないでしょうか。少なくとも基礎年金部分については支給が無くても問題ないと思います。
このように今後年金は、保険の性格を全面に打ち出し、資産家や富裕層に対しては、基礎年金部分は支給しないことを検討すべきだと思います。厚生年金部分および企業年金部分は支給します。こうすれば、年金制度は成り立つのではないでしょうか。
同時に、世代を区分して、自分たちの世代の年金は、自分たちの世代の掛け金で賄う制度にすべきです。