ワールドカップラグビー、外国チームのお辞儀は?

10月3日に行われたワールドカップラグビーの南アフリカ対イタリアの試合後両チームが観客席に向かいお辞儀をしている写真が掲載されていました。今回のワールドカップの試合では試合後外国のチームが観客席に向かいお辞儀をする姿がよく見受けられます。やはり外国のチームがお辞儀をすると不格好で、胸を張り手を振るのが似合うと思いますが、何故またこんなにお辞儀をするのか考えて見ました。

ラグビーは世界的に普及しているとは言えず、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イギリス連邦4カ国(イギリス、アイルランド、ウェールズ、スコットランド)、フランスが8強でその他の国とかなりの差があります。そして日本は体力面で劣り、明らかに弱小国です。4年前のワールドカップで南アフリカを破りましたが、8強にはなれませんでした。4年前はエディ・ジョーンズ監督の指導力が大きかったと言われており、今回は監督も変わったことから、あまり期待されていなかったと思います。それよりも観客が入るのか心配していた人も多いと思います。しかしふたを開けたら日本チームはアイルランドを破るは、各会場は満員でどこにこんなラグビーファンがいたんだと言う感じです。

日本人の観客にはラグビーは初めて見に行くと言う人が多かったのではないでしょうか?特に熊本や大分など地元に強いラグビーのクラブチームがないところはそうだと思います。それでも会場が満員になり沸いているところを見ると、日本で2度と見られないかもしれない選ばれたラグビー強国の真剣勝負を一生の思い出にしようと鑑賞しているように感じます。まるで世界の有名楽団や劇団が初来日して行う公演を鑑賞する観客のようです。ラグビー会場の観客には、出場国の応援のために来日した人たちも目立ちますが、こちらはビール片手の賑やかなお応援であり、日本人の姿勢とはかなり違うように感じます。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イタリア、アイルランド、ウェールズなどのチームが試合後お辞儀をする姿を見ると、公演後楽団員や劇団員が観客の拍手に応えてお辞儀をする姿と重なります。日本人はワールドカップラグビーの試合をスポーツの芸術を見るように鑑賞しており、その姿勢が選手に伝わり試合後のお辞儀になっているように感じます。そうだとすれば参加した選手たちにとっても特別な大会になるだろと思われます。