神戸教員いじめ事件、公立学校は私学に行けない子供が行く学校化
神戸市で教員4名が1名の教員を虐めると言う信じられない事件が起きました。学校でのいじめは、生徒間の出来事を言う言葉であり、大人の間で行われれば暴行などの刑事事件です。今回は兵庫県警が捜査を始めると言う報道なので、正しい処理の仕方だと思われます。これで今回のような教員によるいじめは抑制されるものと思われます。
今回の事件で明らかになったのは、このような事件の原因が公立高校の公務員教員制度にあるということです。この事件が起きてから、加害者である4名の教員は有給休暇の状態にあるということです。それは公務員規則上こういう行為が行われた場合の処分規定がなく、本人の自主性に任せるしかないからということです。これを知って学校の父兄の間では、この4人が将来自分の子供の教員として赴任して来るのではないかと心配する声が聞かれたようです。公務員の世界なら、ほとぼりが冷めた頃、こういう教師が別の学校の教団に立つということが行われても不思議ではありません。
これは公務員の身分保証制度の欠陥だと思われます。不正行為については、会社員と公務員で異なる取扱いをするのはおかしいのです。公務員でも会社員と同等の取扱いをすべきです。今回のような事件の場合、会社員なら即座に自宅謹慎処分の上、懲戒解雇か降格の上業務変更です。この当然の処分を公務員だからと言ってできないのはおかしいと思います。これが公務員の堕落を生んでいます。
私は小中高大と公立学校(大学は国立)に行きましたが、社会人になって東京などの都会の私立学校出身者に出会って見ると、学校は私立学校の方が教育水準が高く、時代に合った教育を提供しているように思いました。地方の場合、小学校や中学校までは私立学校は少なく、高校から私立学校が多くなりますが、私立学校は公立高校に行けない生徒が行く学校でした。ところが東京などの都会では、私立学校は、勉強やスポーツでずば抜けた生徒を選抜し、その高い能力に応じた教育を施す学校となっています。普通に考えれば、公立高校の入学者には幅があり、その中間レベルの生徒に応じた授業を行うと言いますから、それより上の能力の生徒にとっては物足りないものとなります。一方私立高校の場合は、広域からトップクラスの生徒を集め、能力差があまりないクラスを編成し、授業を行いますから、成績が伸びるのは当然です。それに教師も全く違った存在になります。公立高校の場合、公務員教師であり、一生雇用が保証されていることから、やる気が低い教員も多数見られます。それに公立高校の教員は大学の教育学部出身者が多いですが、教育学部は大学の進学難易度では最低ラインであり、それ以上の学部や大学への進学を考えている生徒に教えるには無理があります。自分が合格した大学や学部に合格するレベルまで指導することは経験的にできますが、それ以上のレベルに導くには経験が不足しています。従って、公務員教員で難関大学に進学させるのは難しいのです。それでも各県のトップ公立高校では、このような教員が教えて難関大学に進学させているわけですが、これは生徒の素材が良いからです。教員の能力のせいではありません。これが私立なら、難関大学出身者を教員として高収入で採用できますし、採用後実力がなければ辞めさせることもできます。従って、公立高校より私立高校が進学実績が高いのは当然のことです。この傾向は今後ますます顕著になると思われます。そして能力がある生徒は、中学校から私立に進学するようになります。東大合格者の大部分を中高一貫私立学校が占めていることを見れば、当然のトレンドです。
神戸市の公立学校における教師によるいじめ事件は、公立学校の制度に起因するものであり、今後も起きると思われます。生徒による生徒のいじめも公立学校の制度に内在するものです。従って、今度は早ければ小学校から、遅くとも中学校から私立学校進学が優先され、私立学校に行けない生徒が仕方なく公立学校にいくようになります。