NHK受信料を減らして国民自然災害共済制度の創設を

10月12日を中心とした台風19号では、81名の死者(10月20日現在)を出した他、堤防や道路、家屋や農産物などに甚大な被害をもたらしました。温暖化の影響か最近の豪雨は、これまでの豪雨対策を明らかに上回る規模です。従って今後も今回以上の豪雨被害が予想されます。また最近は鳴りを潜めていますが、大規模な地震もいつ起きてもおかしくない状態です。

被害の中で、堤防や道路などの公共施設の復旧は割と早く進みますが、遅々として進まないのが個人の生活再建です。家屋が被害を受けてもサラリーマンなら収入はありますから、まだなんとかなります。問題は農家です。例えば今回の豪雨で被害に合った長野市などでは、リンゴが水につかり、今年の収穫は期待できなくなったという報道です。そうなるとリンゴ農家などの今年の収入はほぼ0となり、生活に困る農家も出て来ると考えられます。こういう状態は、国民全体でカバーする必要があると思います。

そこで考えられるのが、こういった豪雨や地震などによる被害者の生活を国民全体で支える制度です。家屋など損害保険でカバーできるものはそれによりますが、保険でカバーできない生活資金の補填を目的とします。農家の収入の他に漁業が出来なくなった場合の漁師の収入、工場が浸水し稼働できなくなった中小企業の収入などの補填が考えられます。これにより収入が復活するまでの生活が成り立つようにします。

そのために国の制度として国民自然災害共済制度を創設します。掛金は月300円程度とし、所得がある個人全員を加入者とします。掛金は社会保険料と同じ方法で徴収します。

これにより所得がある個人は月300円支出が増えますが、この分はNHK制度改革でNHK受信料を見直すことで全体としては支出増加にならないようにします。NHK受信料は今の月2,230円(一例)から大幅に減らします。

こうすれば年間3,000億円程度の共済金が集まりますので、自然災害による生活資金の補填ばかりでなくその他の支援も可能となります。自然災害で被害を受け途方に暮れる生活者を見るのはいつも忍びないものです。こんな場合こそ同じ国に住む者として協力し合う必要があると思います。その為に一番必要なのがこの制度です。