参議院埼玉補選、N国党の13.6%は凄い数字
10月27日に行われた参議院埼玉補欠選挙(埼玉補選)では、与野党相乗りの前埼玉県知事上田清司氏が1,065,390票を獲得し当選しました。注目すべきは落選したNHKから国民を守る党(N国党)代表の立花孝志氏の得票率です。なんと13.6%(168.289票)もありました。今回の補選は上田氏当選で間違いない選挙であり、全国最低投票率が心配された選挙ですから、立花氏に投票した人は、わざわざ立花氏に投票するために投票所に足を運んだものと思われます。
立花氏は6月の参議院議員選挙で当選した参議院議員を辞任しての立候補でした。議員中には北方領土は戦争で取り返すしかないと発言し自民党を離党した丸山穂高衆議院議員を入党させたり、元みんなの党党首の渡辺喜美参議院議員と会派を組んだりして国会でも存在感を発揮しましたが、マツコ・デラックスがテレビでN国党を気持ち悪いと発言したとしてテレビ局に押しかけたり、「あほみたいに子供を産む民族は虐殺」と発言したりして、批判も浴びていました。また議員辞職の直前には、N国党から立候補し当選後離党した東京都の中央区議会議員をユーチューブで脅迫したとして書類送検されました。
これらのことから、NHKのスクランブル化の主張は支持するけれど立花代表はちょっとという有権者が増加しており、埼玉補選はこれが投票結果としてどう出るか注目されました。N国党が議席を増やしている地方議会議員選挙の得票率は2~5%台であり、埼玉補選でもこの程度が予想されました。しかし結果は13.6%という予想を大幅に上回るものでした。これにはアンチ上田票もあると思いますが、いろいろ問題はあっても立花代表の行動力に期待しての票が多かったと思われます。
一度でもN国党に投票した人は次の選挙でもN国党に投票する可能性が高くなります。そうなるとN国党は次の総選挙の埼玉選挙区では10~20%の得票率が期待できます。
立花代表は埼玉補選の終盤に11月3日公示の海老名市長選挙に立候補することを表明しました。埼玉補選の投票日前にそんなこと言えば埼玉補選での得票数が減ると考えられるので、普通の人なら言わないところです。実際これで埼玉補選での投票数は減ったと考えらえます。それで13.6%の得票率ですから凄いです。海老名市長選挙への立候補は、海老名市議会議員選挙にN国党から立候補する候補の支援のためと思われます。東大阪市で今回と同様なことをして当選議員を出していますから、その再現を狙っていると考えられます。たぶん議員の方は当選すると思います。
立花代表は今後も出れる首長選挙には立候補すると言っていますので、今後2年以内に行われる総選挙まで切れ目なく首長選挙に立候補し、地方議会議員選挙にはN国党候補を立候補させると考えられます。これは次の総選挙に向けて切れ目なく選挙活動を行っていることと同じであり、強力な選挙活動と言えます。その手始めとしての埼玉補選での13.6%の得票率はとても凄い数字であり、今後の首長選挙では、もっと高い数字が出て来ると考えられます。間違って市長に当選しないことを願うばかりです。