人生2回に分けて考える時代

最近アメリカでは40代で仕事をリタイヤし、自分がやりたかったことをやり始める人が増えていると言います。もちろんそれは仕事である程度成功し、その後の生活資金を蓄えた人になります。事業家はお金はあっても事業が好きで事業を離れるのは無理でしょうから、こういうことをする人は少ないと思います。こういうことをするのは、会社の中堅幹部になったけれど仕事はそれほど好きではなく、生活の糧をうるために仕方なくやって来た人が多いと思われます。そういう人は、仕事以外に好きな事ややりたいことがある人が多いと思います。

この傾向は日本でも広がると思われます。50歳前まで仕事をして生活費を稼ぎ、それ以降は自分が好きなことをやるという人が増えてきます。私の経験では、会社に向いてない人が沢山います。それらの人は、生活のために仕方なく会社に来ていると思われます。従って会社は苦痛以外の何物でもないはずです。それでも自分や配偶者、子供が生活して行くために耐えているのです。

現在では企業間格差が発生し、伝統ある優良企業では、そこの社員というだけで高給にありつけそこそこの良い生活ができます。だから意図的に出世を目指さず、そこそこ良い社員に留まる人もたくさんいます。そういう社員は、仕事は普通以上に出来て出世欲がないのですから、出世を目指す人には歓迎され、会社にも重宝されます。従って、社内では優良社員と見なされることになります。それが部長を1期務めたくらいで、50歳を前にして突然会社を辞めるのです。会社としては、もう1期2年くらい部長を務めた後関連会社の役員にでもと考えていたところ、突然退職すると言われ驚きますが、部長ポストが1つ空くし、関連会社のポストを探さないで良いので歓迎です。もちろん早期退職制度で退職金は年間給与の3年分上積みされます。こんなこと相当の優良企業でないとできませんが、そういう会社は相当あります。

もちろん年金が出るまでの生活費、および年金では足りない生活費を準備していることが前提です。そうなると夫婦共働きが多くなるかもしれません。それでもこれくらい貯えることは可能な人はたくさんいます。それに親から相当額を相続している人も多くなっています。こうして50歳以降は自分が好きなことをして生活することになります。そうは言っても退屈するのではと思う人もいるかもしれませんが、会社に行く苦痛を考えると、退屈などしません。好きな事、やりたいと思ってできなかったことはたくさんあります。読書だって読みたい本は無数に出てきます。こうして50歳から80歳までを第2の人生とします。かなり充実した人生が過ごせると思います。いつ病魔に襲われ人生ジ・エンドになるか分からないので毎日真剣な日々となります。その前の人生を上回る良い人生になるはずです。これからは70歳まで働く時代とも言われますが、一方では人生を2回に分けて考える時代でもあります。