NHKネット配信費用問題は茶番劇だった?

高市総務大臣がNHKのネット常時同時配信を巡り費用の見直しや業務の合理化を求めていた問題が9日決着したと言う報道です。高市総務大臣が先ず問題としたのはネット業務費用で、NHKの案では常時同時配信などの基本業務は受信料収入の2・5%を上限とする総務省の基準を守るとしながら、一方で、(1)東京五輪(2)国際放送配信(3)字幕や手話対応(4)地方向け放送や民放連携の4業務は、公益性があるので別枠扱いにするとしていた点でした。これに対して高市総務大臣は、ネット費用が最大で受信料収入の3・8%に膨らむと指摘し、東京五輪以外の別枠を認めず、基準どおり2・5%以内にするよう求めていたようです。これについては、NHKが全面的に受け入れたということです。また同時に求めていた業務の合理化については、現在4チャンネルあるBS放送は3チャンネルに削減すると回答したようです。 

もしこれが事実だとすれば、受信料を支払っている国民不在の茶番劇です。これで承認するのなら、高市総務大臣がこの問題を取り上げたのは、自分に対するNHKの対応の悪さの腹いせとしか思えません。これならネット配信費用については2.5%の枠内に収めるよう指示すれば済む問題であり、衛星放送を4チャネルから3チャネルに減らすことはNHKにとって痛くも痒くもないことです。要するに今回のNHKの回答には身を切る部分が全くなく、約7,200億円負担している国民への還元が全くありません。これによりNHKはネット費用が少なくなり、約70億円支出が減りますから、この金額を貯め込むか、使い込むことになります。衛星放送チャネルの削減についても、これが合理化になるのなら、その分支出が減るはずで、これもNHKはため込むか、使い込むことになります。このように浮いた費用は受信料を支払っている国民に還元しようという考えが全くないのです。私は高市総務大臣の今回の要請は、削減したネット費用や合理化で浮いた費用を受信料を払っている国民に還元することに狙いがあるとばかり思っていました。

10月の家計支出は前年同期比5.1%落ち込み、消費税引上げの影響は予想以上に大きいと考えられます。2%または5%のポイント還元策を実施しての話ですから、ポイント還元策が終了した後のことを考えたら恐ろしくなります。来年には後期高齢者の窓口負担の引き上げなどで医療費の自己負担額が8,000億円以上増えると言われています。家計の支出は毎年増え続け、家計はそろそろ限界に達しています。そのためNHK受信料も家計の大きな負担になって来ています。そういう状況があって「NHKから国民を守る党」の躍進があります。政府は国民負担を増やすのなら、公的負担であるNHK受信料を下げ、家計の負担を減らす必要がります。今回高市総務大臣のNHKへの要望が家計の負担減少にならない形で決着したとすれば、高市総務大臣に期待した人たちにとっては大きな失望だし、やはり「NHKから国民を守る党」を応援するしかないと痛感させられます。