ネット契約の不公平性の是正が必要
消費者庁はフリーマーケットアプリや通販サイトなどの消費者被害が増えていることを受け、インターネット上で取引の場を提供する「プラットフォーマー」と呼ばれるIT企業の役割や法制度について議論する有識者検討会を設置すると言う報道です。
私はこれと同時にネット契約についても検討して欲しいと思います。私が問題だと考えているのは、ネット取引では、契約はネット上で出来るのに、解約はネット上では出来ないことにしている契約が多い点です。例えば、私が利用しているある機能性食品の通販では、契約はネット上で完結するのですが、解約はネットでは出来ず、電話のみとなっているのです。それで電話すると電話が繋がりません。回線数を少なくし、繋がらず諦めるように仕向けているようです。これは多くのネット取引で使われている手法です。これまでは大手ネット取引企業が導入し、その後殆どのネット取引企業が追随しました。解約を少なくする手段として広く採用されたようです。現在は大手ネット取引企業ではネットで契約したものはネットで解約できるように改善してきていますが、その他のネット取引企業の多くは契約はネットで出来ても、解約はネットでは認めないようにしています。契約するときは解約のことは考えていませんので、つい契約してしまうのですが、いざ解約する段になって電話がつながらず、「ああ、こういうことだったのか」と悔しい思いをします。最近あったことでは、以前東京にいたときにみずほ銀行に口座があったので、福岡に引っ越した後ネットでみずほのJCBデビットカードを契約したところ、解約する段になって解約は店舗でのみ可能となっていて驚きました。みずほ銀行のような都銀の店舗は、都内だとたくさんありますが、地方都市には1,2店舗しかなく、出向くのは一苦労なのです。カードの解約ですから、何も店舗に出向く必要はなく、解約防止のための措置と考えられます。みずほ銀行は経営的に苦しい状況にあるとは聞きますが、ここまでやるかとがっかりしました。
このように大企業でも経営が苦しくなると契約は気軽にネットで、解約はネットでは認めず、なかなか解約できないという手法を取るようになっています。ここは消費者保護の観点から、ネットで契約できるものはネットで解約できることとし、ネットで解約できないものはネットで契約もできないという法律の制定が必要だと思います。今のネット取引では、契約自由の原則を悪用し、消費者が一方的に不利な契約を押し付けられています。