医師はその程度で続けられるもの?
芸能人で医師の西川文子さんが医師復帰宣言と言う芸能記事がありました。これまでも医師を止めていたわけではなく、ただテレビ出演に忙しく、医師としての仕事は少なかったので、今後は週の半分は医師の仕事をするということです。ということはこれまで医師の仕事は多くても週に1,2日ということになり、月に4~8日しかやっていなかったということになります。ビジネスマンだとこんな仕事の仕方だと実績を上げるのは不可能だし、会社で仕事を続けることも不可能です。先ず必要な情報がありませんし、感が鈍ります。また顧客とのコミュニケーションもとれません。要するにビジネスの現場にいないとどうにもならないものがあるのです。従って、西川さんのような働き方をしていたら、職場復帰は不可能です。
ここで私が個人病院に掛かるようになってから抱いていた疑問が浮かびます。医師の国家試験の合格率は90%以上です。ということは基本的なことを暗記していたら、だれでも医師の国会試験には合格できることになります。その後2年間の研修が必要ですが、これも2年間の研修期間が過ぎればよいということであり、試験はありません。このあと病院に勤務しながら実質的には研修に励むのでしょうが、この後個人病院を開業した場合、結局対処できるのはそれまでに出会った疾患だけということになります。個人病院に行くと、検査機器も少ないし、他に相談する医師もいない中で、この先生の診断大丈夫か、という気持ちになります。個人病院の場合日々診断技術や治療技術をアップデートする手段がないですから、昔の経験だけで診断や治療を行っていることになります。掛かる方が不安になるのは当然です。開業医はそれでも毎日患者と接して、薬のMRの話も聞いていますから、技量は維持できます。しかし、西川さんの場合、患者と接する時間が短かったことから、技量も落ちていると考えられます。西川さんの専門は美容整形のようですが、いくら有名でもこんな状態の西川さんの診察や治療を受ける人がいるのでしょうか。
最近病院で信頼できるのは検査結果のみであり、医師ではないのではないかと思い始めました。そして検査機器をほとんど持たない個人病院の存在意義にも疑問を感じます。ただ薬が医師の処方箋がないと貰えないからやっていけるのではないかと思うときがあります。
私には中国のように医師も技量でランク付けし、診療報酬も違えるのが合理的ではないかとも思えます。技量が大きく違うのに同一の報酬テーブルによるのは、技量の低い医師の救済のためとしか思えません。