田舎が都会との教育格差を埋めるためにすべきこと

現在都会と田舎(地方)との教育格差は絶望的なレベルと言えます。この教育格差がその後の人生格差を生みます。即ち、都会で良い教育を受けた子供は良い人生を送り、田舎の子供はそれよりも劣る人生になるということです。これは経済面において一番大きく表れると思われます。現在経済的に良い収入を得られるのは、医師や弁護士、公認会計士、弁理士などの士業、ベンチャー企業を株式公開した経営者、大企業でもメガバンク、生命保険会社、損害保険会社、商社、放送局などです。これらの職業に就くには、高い学力が必要であり、小さい時から塾に通い、中学からは私立中高一貫進学校に入った方が有利です。特に前述の高収入な大企業に入社するためには、その本社がある首都圏の難関大学を卒業する必要があります。東京に本社を置く高収入の大企業は、東京の大学卒業者を採用すれば良く、地方の大学卒業者を採用する必要性は無くなっています。学力面でも東京の大学卒業者が高いですし、更には社会適応度が高いです。社会適応度というのは、社会人になって仕事や生活を遂行する能力ですが、東京の大学を卒業した学生は東京での生活に馴れているので、そのまますんなりと会社での仕事にも入れるのです。その点地方大学出身者は先ず東京の生活になれることが第一の障害になります。また会社の中では、世代が異なる人と一緒にやって行くことが第二の障害になります。その点では、東京出身で東京の大学を卒業した学生が圧倒的に優れています。それは、生まれてからずっと会社員と混ざり合って生活してきているからです。地方出身者の中には、東京での生活や会社での仕事に馴染めず、東京や会社を去って行く人も相当います。会社で幹部になる人は東京など都会出身者が多くなるのは当然のことです。このように、生まれた場所で人生の良し悪しが殆ど決まっていると言っても過言ではないと思います。

私も田舎育ちで、その格差を痛感した者ですが、この格差を何とか埋められないかと考えています。生活環境はどうしようもないとしても、教育格差はやりようによっては埋められると思います。現在地方(田舎)では、子供の人数が減り、学校の統廃合が増加しています。その結果、昔は5校あった中学校が1校になっている町もあります。こうなると、教員数も減り、校舎にかかる費用も減るわけだから、町の予算の内教育に懸かる費用が大きく減少していると思われます。統合校では、遠隔地から通う子供は、全員揃うのを待ってスクールバスで帰るようになっていると思われます。田舎の子がスクールバスを待つ時間、都会の子は何をしているかと言うと、塾に行っている子が多いのです。田舎の場合、塾もありませんし、塾にやるだけの経済力が無い家庭も多いと思われます。そこで、町として授業の終了後、スクールバスが出発する前(例えば午後5時まで)学校の教室で民間人を講師として課外授業を実施します。中学生以上になると、予備校の衛星放送授業やリクルートのインターネット授業(受験サプリ)を受講させても良いと思います。こうして都会の子供との勉強時間や内容の差を埋めます。そして、その小学生の中から、全国の有名私立中高一貫進学校の中学入試に合格する生徒が出たら、給付型奨学金を出して支援します。たぶんなかなかでないと思いますが、たまに出ると思います。こういう生徒の中から将来医者になり、町の医療を支えることが期待できます。また、ベンチャー企業や大企業の経営者になって、町に雇用をもたらす、または寄付を行うことも期待できます。ともかく町から優秀な人物を作り出すことが町の将来に繋がります。少なくとも学校統合で浮いた費用は、都会との教育格差を埋めるために使うべきです。