首相はヤジ自由、民衆のヤジは警察が取り締まり?
国会で安倍首相が辻元清美衆議院議員の質問の終了後、「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばし、後日謝罪しました。背景を見ると、辻元議員は一方的に安倍首相を非難しただけで質問を終了していますから、安倍首相のヤジは的を得ており、非難される筋合いはないと思われます。あまりに的を得たヤジだったことから、辻元議員が面目を失くし、騒いだだけとも思われます。安倍首相は国会でしょっちゅう的を得たヤジを飛ばしており、ヤジ担当とすれば大変優秀です。首相としてよりも、自民党のヤジ担当の方が適性があるように思われます。ここで思い起こされるのが、2019年7月に札幌で安倍首相が参議院議員選挙の応援演説を行っていた際に、野次を飛ばした個人を警察官や私服刑事が排除した事件です。この時の状況は、ある男性が安倍氏が立つ選挙カーから7~8メートルほど離れた歩道で「安倍辞めろ。帰れ。帰れ。安倍帰れ」と10秒ほど大声で叫んだところ、制服警官や私服警官とみられる5~6人が男性を取り囲み、肩をつかみながら、選挙カーから遠ざけるように移動させたと言うものです。また 別のある女性は、この歩道の後ろにある広場で「増税反対」と何度も叫んだところ、同様に警官5~6人に取り囲まれ、後ろへ移動させられたということです。いずれも拡声器や楽器などの道具は使っておらず、それぞれ1人での野次だったようです。
これなど国会における安倍首相のヤジと何ら変わらないように思われます。演説者の主張は違うよという個人の表現の1つであり、民主主義にとって最大限尊重されなければならいことです。
選挙では考え方の違う人が立候補し主張をぶつけ合うのだから、候補者の演説に野次を飛ばす人は出てきます。特に首相に自分の主張を聞いて貰う機会はめったにないので、選挙応援に来たとなれば、大声で自分の主張を届けたくなります。それが身体に危険を伴う方法や演説の続行を不可能にするような集団での行動ならば、警察による排除も仕方ないですが、札幌の場合は、1人での行動であり、警察が実力行使する場面ではないと思われます。複数の警官や私服刑事が一斉に動いていることから、あらかじめ道警の上層部からヤジがあった場合は排除せよと言う指示が出ていたと考えられます。安倍政権は、政権に協力した官僚は人事で報いる姿勢を取っており、道警上層部のスタンドプレーと考えられます。
安倍政権は警察官僚を優遇し、警察を通じ反安倍の政治家や官僚、団体、民間人の情報を収集していると思われます。警察官が巡回訪問と称して来るようになったら、目を付けられたと思った方がよいと思います。安倍政権のこの動きは、第二次世界大戦中の特別高等警察(特高=秘密警察)の復活を感じさせます。