やはり首相には高い学力が必要
コロナウイルス問題で日本が大混乱に陥っています。3月5日午前8時30分現在の日本の感染者は1,035人とされていますが、感染者が全国で増加していることから、検査を受けられない感染者が多数いることが伺われます。その人たちが感染源となって感染が拡大していると思われます。従って、希望者全員を検査したらこの何倍もの感染者数になると思われます。お隣韓国の感染者が5,621人(3月4日午後発表)となっていますが、韓国の1日のPCR検査数は13,000人以上と報道されていますから、韓国の感染者数は実体に近いと思われます。医学の水準で韓国が日本を凌駕していることが分かり、日本人としてはショックでもあります。
中国でコロナウイルスが発生してからここまでの日本の対応にはがっかりさせられました。
先ず武漢が閉鎖され、中国が海外旅行を制限したのに、日本は中国人の入国を制限しませんでした。これが日本での感染拡大に繋がったのは間違いありません。それに中国武漢から日本人をチャーター機に連れ戻したまでは良かったのですが、隔離先が相部屋で感染者が出ると言う信じられない事態が起きました。武漢からの帰国者の中から検査を拒否し帰宅するという人も出しました。またクルーズ船では700名を超える感染者を出しています。その結果乗客の出身国で連日報道され、日本はウイルス汚染国という位置付けとなりました。
この間国内で感染者が拡大したのは、これらの対応のまずさが引き起こしたのは間違いありません。
そこでこれらの批判を鎮めるため安倍首相は、2月28日唐突に3月2日から日本の小中高校を全国一斉に休校にするよう指示を出しました。金曜日に言い出して次の月曜日から実施せよというのですから、学校も家庭も混乱します。そこで強制ではなく自主的な判断でとトーンダウンしましたが、これは専門家の判断を仰いでいない安倍首相の弱みから来たものです。
安倍首相の弱みは学力が高くないことです。これは難関大学を出ていないから言っているのではありません。例えば田中角栄元首相は、高等小学校しか出ていませんでしたが、誰が考えても高い学力がありました。決断するのに必要な事実を集めて、最適解を探すと言う学力の高い人の思考パターンを身に着けていたのです。また、最も信頼できる人を探し出し、その人を活用していました。一方安倍首相は、大学は出ていますが小学校からエスカレータ式に入学卒業したもので、高い学力が必要な場面は無かったと思われます。多分安倍家では東大や早慶に入れたかったでしょうが、そんな学力は無かったと思われます。安倍首相もこれがコンプレックスのようで、家庭教師を務め子供の頃の安倍首相の学力を良く知る平沢勝栄衆議院議員は大臣にしません。安倍首相の学力が高くないことを一番感じるのは、抽象的な表現が多い点です。最初に首相になったとき「美しい日本」というスローガンを掲げていましたが、これがいい例です。具体的に表現しないと何を言いたいのか分からないし、実現のしようがありません。首相に再登板した後やったことと言えば、金融緩和の1策です。これはこれまで大蔵省や日銀などの金融政策担当者が経済状況や金利、為替、資金需要、インフレの危険などいくつもの変数を考えて行ってきた金融政策決定を、「金融緩和すればいいじゃん」と単純化したものです。大幅な金融緩和すれば経済が良くなることは、誰だって分かっていたことです。なのにこれを実施できなかったのは、一旦大幅な金融緩和をしたらその後正常な状態に戻す方法が見つからなかったからです。これについては米国も欧州も同様です。それ以上に深刻なのは、大幅な金融緩和下で不況になった場合の対処です。今まさに日本がこの問題に見舞われようとしています。昨年10月からの消費税引き上げでその後消費不振に陥ることは予想されていましたが、コロナウイルスの影響で泥沼の不況に陥ることが予想されます。こうなると金融緩和の副作用が顕在化してきます。金利低下で生き残っていた企業の大量倒産です。その結果、金利低下で収益が悪化した銀行に多額の貸倒損失が発生し、経営危機に陥る銀行が出てきます。このような複雑な問題には高い学力の首相でないと対処できません。
台湾の高学力メンバーを集めた政権が先手先手のコロナウイルス対策を実施し、国民から称賛されています。やはり一国の首相は学力の高い人が良いと思います。