コロナ経済対策としてNHK受信料を1年間徴収停止に

昨日に引き続き、コロナウイルスによる経済悪化に対して政府が検討している経済対策についての提案です。経済悪化時の常套手段である金融緩和や金利引き下げが効果がない中では、家計の負担を減らしてやることが有効です。その直接的形は減税ですが、収入が減っている人たちにはあまり効果がありません。そこでほとんどの家計が負担している費用を減らすのが効果的です。そのうち最大の効果があり、道理的にも減らすべきものは携帯料金です。消費税2%に相当する5兆円の引き下げが可能です。

次にターゲットとなるのはNHK受信料です。家計は毎月2,230円(一例)の受信料を支払っています。この金額は、豊かな家計にとっては何でもない額ですが、収入が低い家計にとっては重い負担となっています。例えば年収200万円未満の家計では、月2,230円あれば夕食のおかずが1品増える金額となります。従って、そういう家計ではNHKは見なくても良いから、受信料支払いを何とか免れたい気持ちです。しかし受信料支払いを決めた放送法は、このような家計の収入状況は一切考慮せず、テレビがあれば一律2,230円支払う義務を負わせています。不払率は約18%あるようですが、こういう家計が支払っていないことになります。即ち、払わないと言うよりは払えないと言うのが実情なのです。受信料は住民税非課税世帯にも支払い義務を負わせていますから、国民の納税義務より重要な義務になっています。

この不条理に反発する声が強まり、昨年7月の参議院議員選挙で「NHKから国民を守る党」(N国党)が1議席を獲得し、選挙区で3.2%の得票を獲得、国政政党となりました。そのN国党が唱える唯一の公約がNHKのスクランブル化です。この流れを見てNHKは、これまでの受信料は受信契約の対価との説明から、受信料は公共放送負担金であると変えました。そしてこれまでのキャッチフレーズ「みなさまのNHK」を「公共放送NHK」に変えています。

NHKは人口の減少、テレビを持たない家計の増加を見越し、PCやスマホからも受信料を徴収するため、今年4月からネット同時常時配信を開始しました。その条件として受信料を実質4.5%値下げして今期は149億円の赤字になるという事業計画を発表しています。しかしこれは受信料引上げを目指したNHKの騙しのテクニックです。NHKの決算が今期の計画通り149億円の赤字になっても、現金は1,000億円以上余ります。それは損益計算書には費用に計上されても現金が出て行かない巨額の減価償却費などが計上されており、これが現金収支としてはプラスになるからです。減価償却費はメーカーでも大きな金額が計上されていますが、これは翌年設備投に使われ、内部に残ることはありません。ところがNHKは翌年の設備投資にはその年の受信料収入を充てており、前年の決算で減価償却費として留保された現金は使われません。2019年度の決算では、利益は274億円ですが、減価償却費が808億円あり、現金は1,216億円増加しています。これをNHKはせっせと貯め込んでいるのです。2019年度決算におけるNHKの現金・預金・有価証券残高(以下現預金という)は約4,800億円です。要するに4,800億円貯め込んでいるということです。これ以外に関連会社の剰余金が1,100億円以上あることが分かっています。NHKの昨年の繰り越し利益(関連会社の剰余金に相当)が約1,161億円ですから、それとほぼ等しい利益が関連会社にプールされていることになります。関連会社へはNHKから仕事が発注されており、受信料が支払いに充てられていますから、使途に制約が多い受信料を、制約のない関連会社に回し、プールしている実態が浮かび上がってきます。これは受信料ロンダリングです。

このように、NHKは1年間受信料収入が無くてもやっていけます。従って、コロナ経済対策としてNHK受信料の1年間徴収停止が可能なことが分かります。家計が日々の生活に苦しむ中、NHKの不当な貯えは全部吐き出させるべきです。