コロナ対策の現金給付、一律給付ではなく必要な人に必要な額を支給すべき

コロナウイルスによる経済悪化の緊急対策として、政府は現金給付を検討しているという報道です。2009年にリーマン・ショックによる景気刺激策として、1人当たり1万2,000円を定額給付したケースがあり、今回はそれを上回る金額の給付が検討されているということです。現金給付は良いと思いますが、給付対象はコロナウイルスの感染拡大により収入が大幅に減少し、生活が困難になった人たちに限定しで、生活するのに十分な額を支給すべきです。

対象は、例えば観光客がいなくなり休業状態に追い込まれているホテル、旅館、土産物店、飲食店、観光タクシーなどの従事者、イベントが中止になっている芸能・公演関係者、産業活動の低迷により雇い止めとなった非正規雇用者、仕事を発注されなくなったフリーランスなどです。これらの人たちは、日々の収入が断たれ、明日の生活にも困窮している状態だと思われます。そしてあと何カ月続くか分からない中で、絶望的状況にいると思われます。これらの人たちに、先ずは十分な生活資金が行き渡るようにする必要がります。

その他の人たちは後回しです。特に大企業の従業員や公務員には、収入面の影響は全くないので、現金給付は不要です。また年金受給者も必要ありません。

東北大地震や熊本地震、台風や大雨の被害の際に家屋が壊れ、全壊、半壊などの被害に応じて損害保険が支払われ、公的支援金が支給されましたが、今回のケースはこれに準じて、収入の減少の程度に応じて、現金を支給すべきです。例えば、収入が途絶えた人には月30万円、月10万円以下になった人には20万円などの支給基準を設けて支給します。その判定は従事している事業所の状況で行います。また非正規雇用者やフリーランスは、雇用が打ち切られた通知書や無収入を証明するもの(預金口座入金状況)などをもって証拠とします。できるだけ早い救済が必要なので、証明は緩くして幅広に認めます。その結果、後日実際は収入があったことが分かれば、返還を求めますし、支給の際にその旨の確認書を取り交わします。今は収入が断たれたことに依り生活できなくなり自殺者がでることを防ぐことが重要です。

現金の一律支給は、本当に困っている人に支給されるべき金額の減少をもたらし、困っていない人に無駄なお金が行くだけです。事務的には大変になると思いますが、東北大地震や熊本地震、台風や大雨の被害の際にはできたのだから、できないはずはありません。くれぐれも本当に困っている人に、必要な額のお金が回る制度とすべきです。