コロナ問題の指揮を日本医師会に移すべき
コロナ感染症の拡大が止まりません。4月19日には感染者数が1万人を超えました。それでもまだピークが見えていません。日本の場合PCR検査を押さえていますから、感染者が町に留まっており、まだまだ増え続けると思われます。先ず感染者2万人超えは固いと思われます。
その被害を一番被っているのは、病院、即ち臨床現場です。これまでコロナ問題の指揮は感染症専門家が採ってきましたが、ここで指揮を臨床現場、その元締めである日本医師会に移すべきだと思います。
こんな状況で何ですが、日本に一流の感染症専門家はいるのでしょうか?これまで世界ではエボラやSARSなどの危険な感染症が発生しましたが、日本には殆ど影響がなく、私は感染症は後進国の問題だとばかり思って来ました。これは日本の医学界でも同じだと思います。その結果、感染症の研究者を志す人は少なく、人材的にも優秀な人はならなかったと思われます。また研究者になっても予算は限られており、十分な研究も出来なかったと思われます。そして感染症と無縁の環境ですから、実践的な研究になっていないのは明らかです。
その人たちにコロナの指揮を採らせることに無理があったのです。感染症研究者にとってはやっと巡ってきた活躍の機会ですが、これを最初研究成果を発表するためのデータ収集の良い機会と捉えた節があります。そのため唯一指揮下にある保健所と連携し、PCR検査を保健所で独占する作戦を採ったのです。ここには、感染症対策の肝であるところの感染者を片っ端から見つけ出し、隔離するという発想はありません。もちろん全くなかった訳でありませんが、彼らの指揮下にある感染症病床は限られており、そこからPCR検査数を逆算したものと思われます。こうして、多くの感染を疑われる人がPCR検査を受けられず、町に留め置かれることとなりました。そうなれば感染者が爆発的に増加するのは目に見えています。従って、現在の感染者数の増加は、感染症専門家が採った対策がそのまま結果となって表れていることになります。
この結果、一番被害を受けているのは、病院などの臨床現場です。感染者がひっきりなしに病院を訪れますから、対処できないし、院内感染が起きることになります。感染症専門家の誤った対応の結果をまともに被る結果になっているのです。臨床医にとって感染症専門家というのは、普段尊敬の対象ではないと思います。あんなの医者じゃない、と考えている人もいると思います。それでもコロナ問題ではそんな感染症専門家に対策を任せ、これまでおかしいと思っていても声を上げませんでした。病院と言えば検査、検査で検査漬けと言われるくらいです。治療の要諦は、早期発見早期治療と言われています。それが疑わしくても検査をしない現状を黙って受け入れてきたのです。ここに今回のコロナ感染拡大の問題があったと捉えるべきです。これは医学界の縦割りの弊害と、お互いに先生、先生と呼び合い、摩擦を避ける体質が影響しているように思います。
現在感染症専門家がコロナ問題の指揮を執っている構造は、コロナ戦争の前線の指揮を二等兵が採っている状況です。やはり戦いの指揮は、戦いの現場を知る臨床医が採るべきだと思います。そう考えるとコロナ感染の指揮は感染症専門家から日本医師会に移し、感染症専門家はそのバックアップに回るべきだと思います。日本医師会が指揮すれば、片っ端からPCR検査し、感染者は隔離する方策が採られるはずです。判明する感染者の大部分は軽症者ですから、ホテルに隔離すれば十分です。これをしない限り感染者数は減らないし、臨床従事者の身の安全は守れません。