現金給付10万円、政府が申し合わせるべきは辞退ではなく受給後1週間以内に使い切ること
政府は21日の持ち回り閣議で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策に盛り込まれた10万円の一律給付について、閣僚と副大臣、政務官は受け取らないことを申し合わせたと言う報道です。また自民党でも所属の国会議員は受け取らないと申し合わせるとの報道もあります。これは、現金給付10万円が本来給付が必要でない人にまで給付されるという弊害を政府・自民党が認めたようなものです。今必要な給付は、コロナ感染拡大によって収入が激減し、生活の維持が困難になった人たちを救済するための給付であり、福祉目的の給付です。これが当初の30万円給付案でした。コロナの感染がとまらず全国に非常事態宣言が出されている中で、今経済対策として現金を給付しても買い物に行けませんから、経済対策にはなりません。だから経済対策として国民一律に10万円給付するというのはまやかしです。30万円給付案に対して貰えない人の不満が多かったこと、逆に言えば国民一律10万円給付にした方が安倍内閣および自民党の支持率が上がることが変更の理由です。そして16日に変更が決まったのは、公明党が国民一律10万給付に変更しなければ、14日に公示された(26日投票)衆議院静岡4区補欠選挙で自民党候補者に投票しないと迫ったからだと思われます。コロナ対策で支持率が急落し、自民党内からも不満が噴出している安倍首相にとって、静岡補選の負けは安倍降ろしの開始を意味します。それで絶対負けられない選挙なのです。だからNOの返事はありえませんでした。これが今回突如国民一律10万円給付に変更になった裏の理由、本当の理由でしょう。
それならそれで良いのですが、国民一律10万円給付は、収入面では給付が必要ない人たちにも給付され、かつ総額12兆円になることから、経済対策の側面が強くなっています。ということは、支出されなければ意味がないということです。これが分かっていれば、安倍政権の閣僚や副大臣、政務官、更には自民党議員が給付を辞退することは間違いだということになります。辞退すればそのお金は国庫に残り、消費に回らないことになります。これでは意味がありません。彼らが申し合わせるべきは、辞退ではなく、受給後1週間以内に使い切ることです。(ただし、地元で有権者に現金を配るのではなく、商品やサービスに使うことです)。