オンライン授業なら文系大学は1つでよい

コロナの影響で授業再開が遅れている大学でオンライン授業が始まったという報道です。オンライン授業は、今は緊急避難的な扱いだと思いますが、今後大学の授業の大きな割合を占めてくると思われます。特に教養課程(今あるのか知りませんが)や文系学部ではオンライン授業が中心になって行くと思われます。

大学文系の場合、数百人も入る大講義室の授業も多く、真ん中から後ろに座っている学生は聞き取りずらいし、黒板も良く見えません(今は改善されているかも)。そもそも真ん中から後ろの席に座る学生はやる気がなく、ただ単に時間潰しのために授業に出席している学生が多いと思います。要するに大講義室での授業はあまり学生のためになっていないのです。

オンライン授業に移行すれば、学生のためになる授業に変えられます。例えば大講義室の授業は廃止し、全てオンライン授業とします。受講届けをした学生は、自宅でPCまたはスマホでオンライン授業(オンデマンド型も含む)を視聴するものとします。視聴履歴が残る方式でもよいですし、残らない方式でも構いません。1回の授業が終わったら課題を出し、学生に2千字から1万字以内でレポートを作成し、ネット経由で提出させます。また全授業終了後には、授業に関連して設定されたテーマで論文レポート(10万字以上~20万字)の提出を求めます。毎回のレポートは8割以上の提出が必要であり、最後の論文レポートは提出必須とします。これで学生の学力は各段向上するはずです。

その他の授業もゼミ方式以外はオンライン授業とし、同様なやり方とします。これで学生のレポート作成能力が今よりも格段に向上します。社会人になって求められる能力はレポート作成能力であり、これは企業が学生に求めている能力でもあります。

こうなると文系学部は各大学にある必要はなく、ブロックに1つ或いは全国に1つあればよいということにもなって行きます。そうなのです。文系学部の存在意義はそんなものなのです。全国1つであればよいということになると、放送大学で十分ではないかということになります。たぶん放送大学1つで十分だと思います。本当に勉強したい人だけがその後法科大学院や会計大学院などの専門大学院に進めばよいのです。そのために各地区ブロックの10くらいの大学に専門大学院を設置します。ここが本当に社会で求められる文系専門人材の養成の場です。その他の文系の学問は教養程度のものだと思います(以上は国立大学を想定しています)。この方式なら、学生専業なら2年で全単位を取得することが可能となり、学士の資格(例えば経済学士)を取得できます(卒業)。更に2年あれば他の学士の資格(例えば法学士)も取得できます。社会人でも働きながら単位を取得できるので、時間をかければ学士の資格を取れることになります。これにより生涯学習が可能となります。また卒業大学は放送大学となるので、入学した大学名による格差がなくなります。これで社会人として平等な実力競争の環境となります。

こうして文系大学が放送大学1つになれば、授業料も大幅に安くなりますし(年間24万円くらい?)、その浮いた国の教育予算は大学理系の強化に充てます。日本が今後経済を活性化し国民の所得を増やし、税収を増やして財政を改善するためには、輸出を増やす技術立国の道しかなく、大学理系の強化が不可欠です。そのためにも大学文系はオンライン教育を強化し、将来1つの文系大学への統合を目指すべきです。