黒川検事長の辞任は自作自演?
黒川東京高検検事長が5月1日と13日に賭けマージャンをしていたことで辞任するようです。安倍政権が今週月曜日(18日)に検察庁法改正案の審議取り下げを決定したのは、芸能・文化人を中心とした抗議のツイートのためと言われていましたが、実は今週文春にこの記事が掲載されることが分かったためと思われます。確かに先週の金曜日(15日)までは採決する勢いでしたら、16日に取り下げを検討という報道があったときは「あれ、どうしちゃったの?」と言う感じでした。自民党議員の間からも採決したとしても国民の反発は時間が経てば忘れられるという見方が強かったと思います。
文春記事によると黒川氏は5月1日と5月13日の夜に賭けマージャンをしていたということですから、13日か14日に文春記者が黒川氏に事実の確認を行ったと思われます。そしてそのことを黒川氏は14日か15日に官邸(菅官房長官?)に報告していると思われます。こうなると翌週に事実が明るみになりますから、この状況で採決はまずいと言うことになります。そこで審議取り下げが決まったと思われます。
それよりもこの賭けマージャンは摩訶不思議です。5月1日は金曜日でありその晩にマージャンをやろうとなるのは分かります。しかし13日は水曜日であり、しかも国会で検察庁法改正案の審議が大詰めになっている時期です。かつツイートの抗議で注目が集まっていました。火中の人がマージャンに興じる状況ではありません。特に外部の人が誘える状況ではないと思います。だから一緒にマージャンをした新聞記者に声を掛けたのは黒川氏だと思われます。でもこの状況でやることではありません。やるとすれば改正案が成立してからでしょう。ここに不自然さがあります。また賭けていたということは、マージャンをやっていた当事者しか知りえないことです。ということは参加者の誰かが文春記者に伝えたことになります。
今回文春が賭けマージャンの事実を掴んだ方法については、官邸が黒川切りのため公安などを使って把握していた情報を流して書かせたという推測があります。元文部科学省事務次官の前川喜平氏がやられた方法です。しかし黒川切りをするのなら、こんな審議の大詰めではなく、もっと前の方が都合がよかったと思います。なぜなら改正案は黒川氏とは無関係を言えるからです。従って官邸側が流した情報ではないと思われます。
では誰が流した情報か?考えられるのは黒川氏本人が流したのではないかということです。黒川氏は2月の自らの定年延長については、事前に菅官房長官から相談されていたと思われます。この案の発案者は菅官房長官で、検察庁法の解釈の変更という定年延長の理由を考えたのは森法務大臣だと思います。そして菅官房長官が黒川氏にこの案を伝え、定年延長を辞退しないよう相談したものと思われます。黒川氏としては無理筋と考えたと思いますが、事前に相談されたからには断れません。従ってこの流れに乗るしかなかったと思われます。しかし、検察庁法が国会で審議に入り、ツイッターなどで抗議の声が高まったこと、および検察OBが反対の意見書を提出したことなどから、このまま改正案を成立させるのはまずいと考えるようになったのではないしょうか。そこで考えたのは、自分が賭けマージャンをし、その事実を雑誌に書かせることによって、検察庁法の成立を難しくさせ、かつ自分は責任を取って辞任することです。そのために親しい記者と相談し、その記者から文春の記者に賭けマージャンの情報を流し記事にさせたのです。それも採決直前と言う絶妙なタイミングでした。こうして黒川氏は自分が主人公となった違法な定年延長に終止符を打ち、それを繕うための検察庁法改正案を自ら葬ったのです。ちょっと穿ち過ぎですかね?