安倍首相はもう思考停止状態?
最近の安倍首相を見ていると自分の意志を持たない側近の操り人形のように思えます。
この始まりは「アベノマスク」であり、その後ユーチューブのステイホームに繋がります。これらは側近である今井補佐官か佐伯秘書官の提案だと予想されます。これは未だ政治的には小さなことですが、学校の一斉休校要請は、専門家の議論も経ずに安倍首相が唐突に決定したものであり、この辺りから政治的意思決定もずれて来ていました。そして現金給付案の変更は、閣議決定を経た後のことであり、公明党から変更を迫られたらあっさり変更したことで、安倍首相の政治決断の軽さが浮き彫りとなりました。
実は当初の30万円給付案は私の提案が採用されたものでした。こう言っても信じて貰えないと思いますが、3月19日のブログ「コロナ対策の現金給付、一律給付ではなく必要な人に必要な額を支給すべき」という記事を読んで貰えば、そうかもと思っていただけると思います。「必要な人に必要な額を」という言葉を安倍首相および岸田政調会長がテレビカメラの前で言っていました(ネットで検索して見て下さい)。かつ給付金の金額も最初20万円、その後30万円とぴったりです。もちろん安倍首相がこのブログを読んだ訳ではありません。このブログの内容を別途首相周辺に届けていて、その周辺から安倍首相に提案されたものと考えられます。安倍首相と私の考えがシンクロするはずがなく、最終的にひっくり返ったのは妥当な結末だと思います。
これらの決定の内、アベノマスクは、受注先に信用に問題がある先があったり、マスクに不良品が混じっていたりして、稚拙な政策であったことが浮き彫りとなりました。またマスクの供給がだぶついてきた頃に配布されるなど、問題が尾を引いています。変更された現金給付10万円も未だ手続き段階のところがあるようです。
その後コロナ感染の拡大が進み、PCR検査が少ないことが問題になった際、安倍首相は1日2万件の検査ができるようにすると発表しましたが、現実が全く伴わず、2万件の検査が可能となったのは、最近のことです。
こういうことがあり、すっかり自信を無くした安倍首相は、コロナ対策専門家会議の提言をそのまま政策決定の御旗とするようになります。専門会議は助言機関であり、その意見は政策決定の参考にすぎないのですが、専門家会議の助言を政策決定の根拠とし始めたのです。こうなると政権としては思考能力停止状態と言えます。
その後学校の9月入学論が出ると前のめりの発言を行いますが、自民党や文部科学省などから法案の整備などで現実的には無理との意見が出ると、あっさり引き下がります。これはこれでよいのですが、その前に自分で考えればこの結論となることは容易に予想されることであり、前のめりの発言などできないはずです。
またコロナ治療薬アビガンについて、5月中の承認を目指すと発言するに至っては、安倍首相の思考は危険な状態にあることが分かります。薬の承認には科学的検証(臨床試験)が必要であり、それを途中で短縮することは不可能です。従ってこれはいくら首相の発言と言っても責任を負う専門家や厚生労働省の担当部署・官僚は「はい、分かりました。」と従う訳には行きません。安倍首相の指示に従った結果地獄送りになった官僚(佐川元理財局長、黒川東京高検検事長)の例を見ています。かくして安倍首相の言葉はむなしく消し去られました。安倍首相はコロナ問題では悉く官僚に敗れ去っています。厚生省の医系官僚にとって自分らのボスは安倍首相ではなく日本医師会会長なのです。
安倍首相は森友事件や加計事件、桜を見る会、黒川検事長定年延長問題など自分が決めたら、官僚はそれに合わせて答弁を行うし、業務を執行すると思っていましたから、この展開は意外だったと思われます。国民に加え官僚からもそっぽを向かれた今となっては、もう戦う気力もないのにリングに立っている状態です。自民党幹部がタオルを投入すべき時だと思います。