これから生産性向上リストラが始まる

5月25日コロナの緊急事態宣言は全都道府県で解除されましたが、6月2日東京都で警戒アラートが発令されるなど未だコロナは終息の気配が見えません。東京都では6月6日現在3日連続で20人以上の感染者が発見されていますが、これはPCR検査の対象が軽症者まで広げられたために増えているものと思われます。従って、良い方向に向かっている兆候です。しかしコロナに感染すると自分だけでなく家族も辛い目に会うことが分かったため、今後は気になる症状があっても検査を受けない人が増加すると考えられます。それらの人たちが感染源になるので、コロナ終息には時間が掛かりそうです。

そうなると経済活動が滞り、企業業績の回復は見通せません。そこで多くの企業がそういう中でもやっていける体制を作るためリストラを開始すると思われます。1985年のプラザ合意による円高時や2008年のリーマンショック後に似たリストラになると予想されます。これらの際に先ずリストラの対象となったのは、40代以降の給料の割には会社への貢献が低いと見なされた中間管理職でした。当時はこの人たちは一つの部屋に集められ、満足に仕事を与えられず退職に追い込むという手法が相当用いられました。いわゆる追い出し部屋です。日本の企業では未だ終身雇用の考え方が残っていますが、コロナ経済がそれを許さなくした感じがします。もう社員全員定年まで面倒を見るのは無理な経済状態に移行したと考える企業が増えていると思われます。これは日本の今後の高齢化社会を考えればいずれ来る状態であり、これが早く来てしまったということです。これに加え日本企業の生産性の低さも問題として認識されて来ています。日本は国としてのGDPは世界3位ですが国民1人当たりで見ると世界27位と低いのです。ということは企業で言うと会社への貢献度が低い社員を多数抱えているということです。なので、これから企業が行うリストラは貢献度(生産性)の低い社員を辞めさせる方向に向かうと思われます。それは40歳以上の社員に一番多いでしょうが、若手でも入社後向いていないことが判明した社員も対象となります。社会全体としては向いていない人を向いている業界や職種に再配置することであり、望ましいことです。しかし若者は良いですが、40歳以上の人たちには辛いこととなります。

この動きは避けられないので、解雇者保護のため解雇補償金制度を設けるべきだと思います。会社は貢献度が低い人またはその会社の業務には向いていない社員は、補償金を支払い解雇することができることとします。補償金は、勤続10未満なら給与の1年分、10年以上20年未満なら給与の2年分、20年以上30年未満なら給与の3年分などと法定します。また会社都合の退職として退職金も規定額支給されます。これなら会社としての負担も大きいので、解雇の乱用は抑制されます。(ただし、この制度を使えるのは優良企業に限られるでしょうが)現在は退職に追いやられ自己都合の退職金が貰えるだけですから、この制度により解雇者の保護が厚くなることになります。1年分の給与が支給されれば、その間に新しい資格を取得することもできますので、再就職の可能性が広がります。お金を払って解雇する制度については、乱用され労働者保護に反するとの意見が強いようですが、今後予想される縮小経済においては、労働者保護の要素が強いと思われます。

自分が会社や部署で下位の評価にある人は、いずれリストラの対象の対象になると考えた方がよさそうです。