遠距離通勤者は在宅勤務になる?

毎週金曜日の夜テレビ東京の「所さんのそこんトコ」という番組の中で「驚きの遠距離通勤!」というコーナーがあって、遠距離通勤をしている人が紹介されます。長い人だと往復5時間以上、交通費も月50万円を超える人もいました。時間は本人の体力の問題ですが、通勤費は会社のコストの問題でもあります。案外会社の全額負担と言う例が多く驚かされます。それができるのはよっぽど儲かっている会社か、その人が会社で不可欠の人だからだと思われます。

しかし、現在のようにコロナ禍の状況では、2つの面でこれが変わる可能性があります。1つは会社のコスト面です。コロナ禍で経済活動が縮小し、多くの会社で利益が悪化していることから、この秋頃からリストラに動く会社が増えると予想されます。運よくリストラを実施しない会社においても、コストや人事制度見直しに動くところが多いと思われます。その場合、遠距離通勤者の交通費負担は真っ先に削減の対象になると思われます。会社が数十万円も負担するとなると、若手社員1名分の人件費に相当し、費用対効果が問題となります。多くの社員が会社の近くに住んでいる中で会社の負担が大きい遠距離通勤費を会社が負担する妥当性が再検討されてきます。再検討されれば、多くの場合、全額負担はあり得ず、上限を設けるということになると思われます。その上限は普通の社員の場合せいぜい月5万円くらいまででしょう。そうなると普通の社員はテレビで紹介される人のような遠距離通勤はできなくなくなります。

また、コロナ禍で在宅勤務が広がっている中では、遠距離通勤者は在宅勤務でいいという話になります。これで数十万円コストは減り、成果はそんなに減らないとしたら、なぜもっと早くからやっていなかったのだろうというと言う話です。多分今後遠距離通勤者は例外なく在宅勤務を命じられると思われます。通勤者の健康面、会社のコスト面、それに成果の面からも在宅勤務の方が良い結果となりそうです。

こうして今後遠距離通勤者は激減し、「所さんのそこんトコ」から「驚きの遠距離通勤!」のコーナーが無くなる日も近いと思われます。