携帯3社の5%を超える営業利益は電波利用料で没収すべき
10月28日、武田総務大臣の携帯料金値下げ要請を受けたソフトバンクとKDDIが値下げプランを発表しましたが、全く値下げ効果はないものとなっています。むしろ現在一番多い10Gバイト未満契約のユーザーを20Gバイト契約に移行させることを目的としたものでしょう。その結果家計の携帯料金支出は下がることはないし、逆に上がると考えられます。そして両社の収入・利益は増加します。要するに政府の値下げ要請をあざ笑う対応です。
この両社の発表前日総務省は、携帯料金値下げのためのアクションプランを発表しましたが、これが携帯ユーザーの怒りに火をつけています。それは翌日の2社の発表を知っていて、連携したとしか思えない内容だったからです。これによると競争環境を整備し、乗り換えを促進して料金を下げるとなっていますが、2社は乗り換えられるような料金は設定していませんから、乗り換えるとしたら格安携帯となりますが、格安携帯の回線使用料については3年後に2019年度の半分まで下げると言っています。ということは、来年はわずかしか下がらないと言うことであり、その結果格安携帯も乗り換える魅力がなくなります。ようすうに総務省と携帯3社が連携して乗り換えをブロックしているのです。総務省と携帯3社の鉄の連携が感じられます。そして大臣就任当初「1割の値下げでは改革とは言えない」と述べ威勢が良かった武田総務大臣があっさり総務省の官僚に丸め込まれたことが分かります。せっかく高市前総務大臣が大臣裁定というと飛び道具を使って回線使用料の引き下げの道を開いたのに、武田大臣が台無しにした感じです。やはり通信行政の素人を総務大臣にしたことが間違いだったと思われます。
この結果今季および来期も携帯3社はこれまでの営業利益を上げ続けることになります。これは営業利益率20%という公益事業としてはあるまじき暴利です。電波は国民のものであり、この利益は国民に返還されるべきものです。従って、利益率5%を超える営業利益については、電波利用料として没収することが考えられます。例えば営業利益率5~10%の額については営業利益の50%を、10%を超える額についてはその100%を電波利用料として徴収します。こうすれば営業利益の半分は没収し国庫に入れることができます。2020年3月期決算で見るとこの額は約1兆5,000億円となります。コロナ下で税収が減っている国庫にとっては貴重な収入になります。この制度を営業利益率5%になるまで続けます。そうすれば携帯3社も高い営業利益を上げ続ける意味が無くなりますので、値下げしてきます。こんなことしたくないですが、強欲3兄弟にはこれしか手がありません。携帯3社は、菅政権は値下げを言うだけで何も有効な手段を持ち合わせていないと舐め切っていますから、是非実施すべきです。それと菅首相の携帯料金4割値下げの号令は、選挙対策用なのでしょうか。もし成果を出せなければ逆に作用します。