横綱3場所連続休場、心技体のうち体が横綱の要件を欠くのでは?
大相撲11月場所では、横綱白鳳と鶴竜が3場所連続で休場するとのことです。横綱の休場場所が多く、またかという印象ですが、番付に2人の横綱が不在なのは、北アルプスで標高の高い奥穂高岳と槍ヶ岳が欠けているようなものです。この2つの山が欠けたら北アルプスとは言えないという人もいると思います。11月場所はそんな番付になっているということです。
こんなに休場が続くのは、二人とも35歳を超え、体に衰えが出てきているためと思われます。怪我をしやすくなったし、怪我したらなかなか治らなくなったようです。そもそも35歳まで横綱の地位を保っているのが不思議です。私の世代の大横綱、大鵬も柏戸も31歳で引退していました。白鳳と鶴竜が横綱を続けられるのは、2人が衰えを知らないと言うことではなく、若手が育っていないということが原因だと思われます。確かに若手の有望株は見受けられません。それは大相撲を目指す若者が減ったのが最大の原因ではないでしょうか。デブになってマワシを付けるのは、若者でなくても抵抗があります。
それに加え横綱制度に問題があると思います。それは横綱に陥落制度がないことです。大関の場合、2場所連続で負け越すと大関陥落となります。この制度により陥落する大関が後を絶ちません。負け越しには休場による負け越しも含まれますので、大関が2場所連続で休場すると陥落することになります。一方なぜか横綱にはこのような制度がないのです。横綱の場合、2場所連続負け越せば陥落ではなく引退なのでしょうが、休場なら何場所でも横綱陥落または引退にならないのはおかしいと思います。休場ということは15戦全敗と同じであり、2場所休場ということは30敗と同じで、大関なら陥落に相当します。しかし3場所目に出場してその場所は勝ち越し、横綱を維持しています。こうして年間6場所のうち3場所以上休場という横綱も出ています。これは横綱制度を貶めるものであり、大相撲の評価を貶めるものです。横綱になれる資格は、心技体に優れていることです。横綱になるときは、3場所以上で12勝以上勝っていることが最低限必要なので、欠場もなかった、即ち体も優れていたことになります。横綱就任時には間違いなく心技体備わっていることになります。それが横綱を長く勤めて行く内に体にガタが来て休場が増えてくるわけで、心技体のうち体が備わらなくなったことを意味します。ならば、年間3場所以上休場した場合、または年間60勝に達しなかった場合には横綱陥落、または引退という制度が必要だと思われます。そうしないと大相撲がちんけな見世物となってしまいます。