自民党と維新のオセロゲームが始まる

菅政権の誕生から2カ月が過ぎ、70%を超えていた支持率も50%台に落ち着いてきたようです。コロナの第3波やコロナによる経済活動の低迷から今後企業がリストラに着手し、失業者が増大することは確実です。その結果社会不安が増し、菅政権、というより自民党政権を変えて気分転換を図ろうと考える有権者が増加すると考えられます。4年前米国でトランプ政権誕生の背景となった「chage」の風潮が今後日本で急速に強まると予想されます。日本の場合、期待された民主党政権の失敗を安倍前首相が利用し、約8年もの長期政権を維持しました。しかし有権者は安倍前首相に満足していたわけではなく、「他に代わりがいないから」という消極的支持でした。安倍前首相の下では、森友学園事件や桜を見る会、黒川検事長定年延長事件など目を覆いたくなる出来事が連続しました。この記憶はまだ有権者に残っていると思われます。コロナによる収入の減少や失業は、菅政権だけの責任ではありませんが、中国や韓国が徹底した検査でコロナをほぼ封じ込めたのに対し、安倍政権および菅政権では、検査は症状が出た人に限ったため無症状者が街に留まり、感染拡大につながりました。その結果、明日の生活に困る人が多数出ており、これらの人たちは次の総選挙で自民党に投票することはないと考えられます。その割合は国民全体の2割に及ぶと予想されますので、これだけでも自民党の得票数の減少は大変なものとなります。

これに加え、今回は「あの悪魔のような民主党」に代わり日本維新の会(維新)という期待の政党が出現しています。維新は11月1日の大阪都構想の住民投票では17,167票で敗れましたが、反対した大阪市民も維新になってから大阪は良くなったという声が支配的でした。大阪市以外の人も、住民投票という民主主義のモデルみたいなことがやれる大阪市民を羨ましく思ったものです。これは維新の民主的な改革政党としてのアピールとしては大成功で、次の総選挙での躍進に繋がるのは間違いありません。1993年の日本新党の再現になる可能性があります。これに橋本弁護士が維新党首として立候補すれば一挙に100議席にいってもおかしくないと思います。橋本弁護士が立候補しなくても、大阪では自民党から議席を奪いほぼ議席独占でしょうし、その他の近畿の府県でも議席を大幅に伸ばすと思われます。また東京を中心とした関東でも議席を大幅に増やすことが予想されます。その場合、自民党の議席が次々と維新に変わることとなり、まるでオセロゲームのような様相を呈すると考えられます。この結果、維新は現在の10議席から少なくとも30議席、場合によっては50議席台に乗せてもおかしくないと考えられます。この影響を一番強く受ける自民党は、今の284議席から220議席程度に減少すると考えられます。そして今後自民党と維新は保守政党としてオセロゲームを続けることとなります。