首相官邸のHPから各省庁への意見受付クリック窓がなくなった
ネットで「首相官邸」で検索すると、検索順位のトップに「首相官邸ホームページ」が出てきます。その中に「ご意見・ご感想」の欄があり、これをクリックすると「ご意見・ご感想」のページが開き、一番下に「ご意見募集(首相官邸に対するご意見・ご感想)」というクリック窓があります。これをクリックすると首相官邸に意見や感想を書き込むフォームが出てきて、首相官邸に意見や感想を送信することが出来ます。
私は5年くらい前にこれを見つけ、意見を送付していました。殆ど場合何の音沙汰もありませんが、たまに一行「拝見しました」という返信があることがありました。そこで読まれていることが分かり、忙しい官邸の官僚を患わせるのは悪いと思い、そのクリック窓の隣にあった「各省庁へのご意見・ご感想」窓を使い、各省庁宛に送信することにしました。送信先は、担当官庁、関連官庁および内閣官房としていました。
これによりこれまで年間50~60通、延べ300通近い意見を送付しました。送った意見は殆ど日の目を見ませんが、採用されたと思われる意見もあります。その1つは菅政権が現在力を入れている携帯料金値下げです。これはこの意見の送付を始めるきっかけとなったテーマでした。当時携帯3社の営業利益が20%を超え、電力などの公益企業(5%)と比べ著しく高くなっていました。これは当時家計が苦しくなる大きな原因となっていました。それに加え2,3年先には消費税2%(約5兆円)の引き上げが予定されていました。これでは家計は困窮を極めます。当時携帯3社は売上高約12兆円、営業利益約3兆円という決算状況であり、携帯料金を5兆円下げれば消費税引上げが家計に与える影響を打ち消すことができると考えました。そこで消費税引上げの影響を打ち消すために、儲け過ぎの携帯料金を5兆円下げさせるべきだと言う意見を総務省、財務省、内閣官房宛に送ることにしました。その後標題を少し変えながら何十通も送りました。そしたら2年以上たった2018年8月、菅官房長官が札幌の講演会で「携帯料金は4割下げる余地がある」と発言したという報道があったのです。私が主張したのは5兆円で、菅官房長官が言ったのは4割ですが、売上高13兆円(直近期)の4割は5.2兆円ですので、符合するのです。菅官房長官の携帯料金4割値下げの狙いは、消費税2%引上げの影響を打ち消すことであり、私の意見が採用されたと思いました(勘違いかも知れません)。
もう1つあります。それは今年3月コロナ問題で現金を支給する案が出てきたとき、私は「コロナ対策の現金給付、一律給付ではなく必要な人に必要な額を支給すべき」という意見を、財務省、内閣官房宛に送付しました。これに対して2,3週間後安倍首相や岸田政調会長がテレビカメラの前で、給付金は「必要な人に必要な額が支給する」と述べました。金額も意見に書いた1人30万円でピッタリでした。たぶん内閣官房の担当者が私の意見を読み安倍首相に提案し、採用されたものと思われます。この案はその後公明党が国民一律10万円案を主張し日の目を見ませんでしたが、安倍首相や岸田政調会長が話した語句が私が送付した意見の標題通りであり、私の提案が採用されたのは間違いないと思います。このように何通も出していれば政府の政策に採用されることがあるのです。
私が送付した意見の大部分は携帯料金値下げとNHK受信料値下げに関するものです。最近は、10月に人事院が今年の公務員の賞与を昨年比0.05カ月減の4.45カ月とするよう政府に勧告した件につき、意見を送付しました。これは民間の実情と乖離しており調査結果はいかさまであること、今年の税収は20%近く減ることが予想されており、これを考えれば前年並み(98.9%)という勧告は出てこないので、菅首相は勧告を突き返して欲しい、というものでした。また、この人事院勧告に伴い全国の自治体の人事委員会が0.05カ月減で勧告しているが、こんなことが行われるのは税収の不足を地方交付金で穴埋めし均しているからであり、地方交付金には競争原理を導入すべきである、という提案もしました。これらはもっともな内容であり、いずれ採用されると思っています。
これらの意見は、担当官庁の担当官僚には余計なこととして嫌われていたことは予想できます。特に内閣官房に送られ、内閣官房から指示がくることが一番嫌だったと思われます。
この結果、何と11月24日からこの各官庁宛ての意見受付窓がなくなってしまったのです。送付された意見を読まない、或いは破棄するのは受け取った官庁の勝手ですが、意見を提出させないというやり方は姑息過ぎます。再開を期待します。