政府主催の桜を見る会の前日に都内の高級ホテルで開催された安倍前首相後援会主催の前夜祭の費用の一部を安倍事務所が負担していたにも関わらず政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、安倍前首相が東京地検特捜部から事情聴取されるとの報道です。安倍事務所が５年間で約900万円補填し、政治資金収支報告書に記載していなかったことは安倍事務所の担当者が認めているようですので、政治資金規正法違反は確実のようです。しかし処罰としては、会計責任者の略式起訴か罰金が有力とのことです。安倍前首相が事務所の収支一切をチェックすることは不可能でしょうから、会計責任者の処罰に留まるのは仕方ないかも知れません。しかし今回の場合、安倍前首相は補填の疑いを国会で否定し、記者のインタビューに対しても「事務所、後援会としての収入、支出は一切ない。5千円の会費は、ホテルの宿泊客なので『ホテルが設定』した。これは（安倍）事務所が、ホテルと話をさせて頂いた結果です」と言い切っています。都内の高級ホテルの会場を借りれば、１人10,000円以上になるのは常識です。それが参加者は5,000円しか払っていないのですから、残額を誰かが補填したとしか考えられません。安倍首相はホテルが設定した価格であると述べていますが、ホテルがこんな安い価格を出すわけがないことは自明のことでした。このような見え透いた嘘を現職首相が国権の最高機関である国会でつき、記者のインタビューで述べ全国に報道されました。

これについて前大阪市長の橋本弁護士は、「誰だっておかしいと思うわけで、安倍首相はホテルに確認すべきだった。」と述べていますが、その通りだと思います。

安倍前首相は在職中、この問題以外でも嘘と思われることを平気で国会で答弁しています。１つは加計学園の獣医学部新設の問題に絡んで、友人である加計学園理事長と「この問題に関して話したことは一切ない。」と答弁したことです。加計理事長と親しく付き合う中で、加計理事長の重要なテーマである獣医学部新設の話が出ない方が不自然です。２つ目は森友学園問題を国会で追及され、近畿財務局が森友学園に売却した経緯を示す記録や議事録の提出を求められた際、財務省の佐川理財局長が「一切破棄している」と答弁し、安倍首相も同調しました。これも公務員が取引の記録や議事録を破棄することはありえず、安倍首相が一言「本当か」と確認すれば分かったはずです。というより安倍首相は議事録などが存在することを知っていたと考えられます。

このように安倍首は明らかに嘘と思われる答弁を国会で繰り返しています。首相の自分が言ったことは嘘でも誠になると分かり、徐々にエスカレートして行ったようです。このような人が７年８カ月も首相の地位にいたことは、日本の政治の汚点だと思います。そして安倍首相と言えばお多くのお友達を大臣にしたことで有名ですが、嘘つきのお友達は嘘つきでないと務まりませんので、安倍首相のお友達はみんな嘘つきだと思います。嘘つきの共通点はプライドが高いことです。

安倍前首相に対する事情聴取は、東京地検特捜部が捜査を尽くしたことを世間にアピールするためのセレモニーと言われていますが、プライドの高い安倍前首相にとってショッキングな出来事になるのは間違いありません。安倍首相本人は事情聴取には誠実には対応すると述べているようですが、責任の取り方が気になります。私は、安倍前首相のプライドの高さおよび総選挙が近いことを考えると、ここで辞職し、責任を取った形にして総選挙を禊にするのではないかと予想します（うーん、そんなやわな人じゃないか？）。