水虫薬に睡眠導入剤混入、爪水虫に内服薬がおかしいのでは?

福井県にあるジェネリック薬メーカーが製造販売した経口抗真菌剤「イトラコナゾール錠50『MEEK』」に1錠あたり5ミリグラムの睡眠導入剤成分が混入していたという事件がありました。この睡眠導入剤の量は通常の1回あたり最大投与量の2・5倍にあたり、薬を処方された364人中154人(12月16日午前0時現在)が健康被害を訴えており、うち入院か救急搬送された患者は35人、そのうち2名が死亡しているということです。

この報道によると同社のイトラコナゾール錠は主に爪水虫の治療に使われているということなので、爪水虫の治療のために処方されたという前提で書きます。私も長年爪水虫に悩まされていました。両足が皮膚水虫に感染しており、夏場に靴で長い時間歩き足が蒸れると毎年水虫症状が出ていました。そのたびに市販の水虫薬で治療し、治ったように見えるのですが、また翌年の夏には再発を繰り返していました。足の中で右足の小指が太くなっており、小指の爪が肥厚化し、この中に水虫菌(真菌)が棲みついているようでした。皮膚に棲みついた水虫菌出さえ退治できないのに、堅い爪の中に棲みついた水虫菌は退治不可能なように思えました。あるとき爪水虫についてネットで調べていたら、爪水虫治療用の内服液が病院で処方されていることを知りました。効くメカニズムとしては、服用した薬剤が肝臓などで分解され残った有効成分が爪に行き、水虫菌(真菌)を殺す濃度にまで蓄積しますから、体の他の臓器、とりわけ肝臓に負担が掛かりそうで怖い気がしました。この内服液は、体内に棲みついた真菌の殺菌にも使われるようなので、安全性は確認済みと思われますが、副作用については個人差があることから、内服薬はやはり怖いです。そこでこの治療はしないこととしました。

3年ほど前の夏、足の水虫が悪化したので病院に行きました。その際爪水虫もあることを医者から指摘され、「爪水虫治療用の内服薬もありますが、これは体への負担が大きいため勧められません。最近良く効く外用薬(液)ができましたので、これを使ってみて下さい。」と言われました。爪水虫の治療に内服液を使うのは怖いと言う私の考えと同じだったので、この医者は信用できると思い、外用薬を使うこととしました。その薬はポーラファルマ(ポーラ化粧品の子会社)のルコナックという薬だったと思います。これを3カ月使って治ったと判断し治療を止めたところ翌年の夏に小指の周囲に水虫ができ、これは爪水虫から来ている考えられたため、再度ルコナックを使い始めました。今度は爪ばかりでなく足の皮膚、特に皮膚が厚くなっている踵などにもルコナックを塗布しました。今回は半年くらい続けたと思います。そしたら明らかに爪が薄く透明化してきて、治ったという実感がありました。そこで治療を終了しましたが、以後水虫に悩まされることはなくなりました。

このように今は爪水虫に効く外用薬があり、内服薬は外用薬が効かない人限定だと思われます。今回このメーカーが製造販売したイトラコナゾールを服用した患者さんは外用薬が効かない人だけだったのか気になるところです。

ともかく内服薬は体内にない化学成分でできており、肝臓で分解される際に肝臓に負荷がかかるし、残った有効成分が他の臓器や細胞に負担を掛けると思った方が良いと思います。従って何らかの副作用は必ずあると考えておく必要があります。医者は薬の専門家ではなく、製薬会社のMRから説明された内容を鵜呑みにして処方していますし、調剤薬局は医者が処方したら疑義があっても何も言いません。だから内服薬については自分でメカニズムや副作用情報を調べて、体からの異常を知らせるシグナルを早期に感知する必要があります。