次の総選挙に必要なのは「若者の党」

2021年が始まりました。コロナ感染拡大中で初詣も初売りも人出が少ないようで、多難な1年を伺わせます。今年は大きな行事が2つ予定されています。1つは7月23日開幕の東京リンピックで、もう1つはその後9月に行われると予想される総選挙です。

東京オリンピックはワクチン接種も始まったことから規模を縮小して実施されるのではないか、と思います。しかし予選もままならないことから記録も期待できず、低調な大会になることが予想されます。

それに対して次の総選挙は大イベントとなります。コロナにより打ちひしがれた国民生活や国内経済を救うため、2020年度発行の国債は112兆円に達する計画です。その結果国債残高は1000兆円を突破し、GDP比200%近くになると予想されます。世界の他の先進国は悪くて100%程度ですので、世界最悪の財政状態と言えます。もし国債が国の借金だとすれば返済は不可能です。問題は国債が借金かということですが、借金である部分と借金でない部分があります。銀行や生保・損保・投資家などが保有する国債(約460兆円)は借金です。しかし日銀が保有する残りの542兆円(2020年10月末)は借金ではありません。銀行などは必ず返済を求めますが、日銀は返済を求めることはないからです。なぜなら日銀は銀行などのように誰かのお金で国債を買っているわけではないからです。紙幣を印刷して買っています。だから国債が返済されなくても痛くも痒くもありません。だから国債が期限に返済されなくても法的に取り立てることはありません。それに日銀の出資口の55%は財務省であり、日銀は財務省の子会社というのが実態です。ということは債務者(財務省)と債権者(日銀)は一体ということであり、この場合法律的には債権債務は混同で消滅します。父親に借金があった子供が相続により借金がなくなるのと同じです。従って日銀保有の542兆円の国債は将来合法的に消滅することになります。だから日銀の黒田総裁はジャンジャン国債を買い入れているのです。

しかしだから日銀買入れならこのまま国債残高を増やして行っていいかというとそんなことはありません。日本の国債残高がこれだけ増えたのは、医療費や年金などの公的サービスを賄うだけの税収がないからです。税収はGDPの約10%になっていますから、税収不足の原因はGDP(経済規模)不足ということになります。今の日本の予算規模(約100兆円)を税収で賄うとするとGDPは約1,000兆円必要ということになります。直近のGDPが約580兆円(予測)ですので、約420兆円不足し、税収が約42兆円不足します。これを国債を発行して補っているのです。これが常態化しており、麻薬常習者と同じ状態です。麻薬常習者が警察により排除されるようにいずれ日本も国際機関から排除されるときがくると思われます。

これに対して今の政治家は全く危機感を持っていません。それは政権の幹部が高齢でせいぜい10~20年の命のため、長期的な視点がないためです。菅首相は71歳、麻生副首相が80歳、自民党の二階幹事長は81歳です。こうなると明日生きているかだって分からず、将来の日本ことなんか考えられません。今の自民党はこのような高齢者が支配しており、政策は高齢者にとってよいことばかりです。例えば先の通常国会に公務員65歳定年法案が出されましたが、これだって高齢者優遇策です。やる気も体力もない公務員の定年を一律に65歳まで延長したら、役所の業務効率が低下し、若者の雇用の機会が減少することなど誰だって分かります。それが高齢者が中心になって考えるとこういった政策になります。

最近の報道では、自民党は2006年に廃止された議員年金を復活させる方針とのことです。かっての議員年金は、年間126,600円を10年掛ければ65歳から412万円の年金が支給され、かつ任期1年毎に8万円加算されるという手前味噌な年金でした。これは国から7割の資金が投入されるから実現できたものです。国債残高が1,000兆円を突破し、今後間違なく財政再建が日本の最大の課題となるなかで、自分たちの老後のために国の支出を増やす仕組みを作るなどもってのほかだと思います。こんな自分勝手な法案も今の自民党多数体制では難なく成立してしまいます。

このような老人天国の国会では、若者は今後の日本に夢も希望も持てません。やはり今後の日本を設計するのは若者が主体になるしかありません。そのためには若者の国会議員を多数誕生させる必要があります。自民党や立憲民主党から立候補し当選しても老人支配体制に組み込まれるだけですから、何もできません。そこで若者が主体となって国を変えるためには、「若者の党」という政党が必要となります。ここから若者が立候補し当選し、若者のための政策を打ち出していく必要があります。

総選挙まであと9カ月ありますで、これからでも間に合います。活動はネットを中心で、SNSで投票を呼び掛ければ一大ムーブメントを作り出せると思います。志ある若者の出番です。